2022年ヒット予測ランキング 第6回

2021年11月4日発売の「日経トレンディ2021年12月号」では、日経クロストレンドと11月3日に発表した「2022年ヒット予測」を特集。5位に「軽量“スマート”グラス」が選ばれた。これまでとは一線を画す、軽くて見栄えの良い“スマート”なメガネがお目見えする。JINSが発売した「JINS MEME」は、姿勢や集中力が測れるセンサー付きで、重さ30グラム未満を実現。フェイスブックとレイバンも新商品を海外で発売するなど、世界的な潮流となっている。

※日経トレンディ2021年12月号の記事を再構成

外観が普通の眼鏡と変わらない「軽量“スマート”グラス」が5位に選ばれた。機能の異なる複数の製品が発表されている。
外観が普通の眼鏡と変わらない「軽量“スマート”グラス」が5位に選ばれた。機能の異なる複数の製品が発表されている。

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【5位】軽量“スマート”グラス

 普通の眼鏡のように装着すれば、様々な情報が目の前に表示され、日常生活が便利になる――。2012年にグーグルが「Google Glass」の開発を発表したときは、やがて高機能な「スマートグラス」が広まると誰もが思った。しかし、それから10年近くたつのに、街中でスマートグラスをかけている人はまずいない。

 それは、これまでのスマートグラスが重くて見栄えもいまひとつだったからだ。例えば20年にNTTドコモが販売した「Magic Leap 1」は316グラムで、KDDIが販売した「NrealLight」も106グラムあった。通常の眼鏡(20~30グラム)より重いので、長時間装着するとどうしても疲れてしまうし、着けていると目立つ。

100グラムを超えていた従来型ARグラス
20年12月にKDDIから発売された「NrealLight」は、最軽量クラスだったが100グラムを超えていた
20年12月にKDDIから発売された「NrealLight」は、最軽量クラスだったが100グラムを超えていた

 しかし22年には、普通の眼鏡とほとんど変わらない装着感のスマートグラスがいくつも選べるようになる。眼鏡メーカーのJINSが21年10月に発売した「JINS MEME」(実勢価格1万9800円・税込み)は、フレームの重さが30グラム未満で、通常の眼鏡との差は数グラム。デザインもレンズ間のブリッジ部分がやや太い程度で、ぱっと見では通常の眼鏡と変わらない。JINS MEME クリエイティブディレクターを務める岩原一平氏は、「眼鏡はファッションアイテムなので、我慢して装着したのでは長続きしない。機能を絞っていいから重さを30グラム程度に抑えることを第一に考えた」と語る。

 そのためJINS MEMEは、装着している人の姿勢や集中力などを計測して健康管理に役立てる用途に特化。従来のスマートグラスにありがちだった、ディスプレーやスピーカーは搭載せず、スマート機能を加速度センサーと眼電位センサーに絞って、軽量化を果たした。テレワークで働く環境が変わって体調不良や集中力低下を感じていたような人は飛び付きそうな商品だ。

■JINS MEME(JINS)
レンズ間のブリッジ部分にセンサーやバッテリーを集約し、前モデルから軽量化。フレームも6種類そろえた。重さ30グラム未満
レンズ間のブリッジ部分にセンサーやバッテリーを集約し、前モデルから軽量化。フレームも6種類そろえた。重さ30グラム未満
姿勢や集中力を測定可能に
姿勢や集中力を測定可能に

 眼鏡メーカーがスマートグラス開発に参加するのは世界的潮流だ。欧米などでは、フェイスブックが人気サングラスブランドのレイバンと組んで開発した「Ray-Ban Stories」が21年9月に発売された。こちらはディスプレーを省いてカメラとスピーカー、タッチセンサーなどを搭載。SNSなどに簡単に写真や動画をアップできる。日本での発売は未定だが、発売されれば人気を集めそうだ。

 一方、映像が映せるスマートグラスの軽量化も進んでいる。NTTドコモとKDDIが21年12月に販売を予定する「Nreal Air(エンリアル エアー)」(日本Nreal)は、4メートル先に130型の大画面が浮かび上がって見えるディスプレーを内蔵。カメラ機能を省くことで、前のモデルから約30グラムの軽量化を果たした。

 見た目も機能も“スマート”な眼鏡が続々登場。今後は、実用やおしゃれだけでなく、「何をしたいか」が眼鏡選択のポイントになるだろう。

■Ray-Ban Stories(EssilorLuxottica、Facebook)
人気サングラスメーカーとの共同開発でフレームは20種類。カメラとスピーカーを内蔵し、動画の投稿などができる。日本での発売は未定。重さ50グラム以下
人気サングラスメーカーとの共同開発でフレームは20種類。カメラとスピーカーを内蔵し、動画の投稿などができる。日本での発売は未定。重さ50グラム以下
■Nreal Air(日本Nreal)
カメラを省くなどして、前モデルから約30グラム軽くしたARグラス。130型の画面が仮想的に見える。NTTドコモやKDDIが21年12月に発売。重さ76グラム
カメラを省くなどして、前モデルから約30グラム軽くしたARグラス。130型の画面が仮想的に見える。NTTドコモやKDDIが21年12月に発売。重さ76グラム
■Xiaomi Smart Glasses(Xiaomi)
モノクロのMicroLEDディスプレーを搭載した簡易ARグラス。地図などが表示できる。日本での発売は未定。重さ51グラム
モノクロのMicroLEDディスプレーを搭載した簡易ARグラス。地図などが表示できる。日本での発売は未定。重さ51グラム
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