
2021年11月4日発売の「日経トレンディ2021年12月号」では、日経クロストレンドと11月3日に発表した「2022年ヒット予測100」を特集。コロナが収束するしないにかかわらず、消費は全く新しい形になる――。「Miles」「ANA Pocket」が無価値だった移動を“金の卵”に変える。冷凍食品専用スーパーが日本の食をアップデート。メタバース経済圏など新たなヒットの源泉も誕生する。脱・巣ごもりの兆しを見せる22年の姿を描き出した。
※日経トレンディ2021年12月号の記事を再構成
新型コロナウイルス感染症との戦い方がある程度見えてきた2021年。22年は今までの価値観が通用しない、時代やトレンドの転換点になる。
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【キーワード1】移動が価値に
代表的なのは「移動」革命だ。これまで“無価値”だった移動そのものが、お得を生む金の卵になる。「Miles」「ANA Pocket」という、移動でマイルがたまる2大サービスの登場により、コロナ禍で落ち込んだ移動したい欲求が高まる。ワクチンの接種済み証明書を電子化し、様々な場所で提示することで特典を享受できる仕組みも整い、追い風となる。
■Miles/ANA Pocket(左) ■ワクチンパスポート(右)
【キーワード2】メタバース経済圏
リアルな世界で価値観の変革が起こる一方で、バーチャル上の世界も進化を遂げる。オンラインのみでのコミュニケーションがある程度普及したが、22年はこれがさらに発展。バーチャル空間上で自らのアバターを介して他のユーザーとコミュニケーションを取る「メタバース」が定着する。デジタル上でコンテンツを売買するなどの経済活動が一般的になり、消費の“源泉”になる。ANAが仕掛ける「SKY WHALE」は、バーチャル上の観光地を旅行しながら買い物もできる、全く新しい旅の方法としても注目される。
■NFTトレカ/アート(上)
■パラレル(下左) ■メタバース旅行(下右)
【キーワード3】“食通”革命
22年は食の流通も姿を変える。スマホで注文するとコーヒーが自動で用意される無人AIカフェ「root C」、“インスタント以上”の麺がその場で楽しめるラーメン自動販売機「Yo-Kai Express」が街中で勢力を伸ばし、手軽に非接触でおいしいものが食べられる。
コロナによって家庭内での食事を見直す流れは引き続きあり、スーパーも次の一手を打つ。高まった冷凍食品の需要をつかむ、冷凍食品専用店だ。リオン・ドールコーポレーションは「みんなの業務用スーパーLynx(リンクス)」を仕掛け、生鮮三品を冷凍で購入する新スタイルの定着を狙う。
■冷凍食品専門スーパー(上)
■次世代自販機(下左) ■プロフィッシュ(下右)
【キーワード4】自己分析テック
巣ごもり生活が長くなり、自らを“分析”するニーズも高まってきた。これに合わせて集中力や体調を測定するウエアラブルデバイスが進化。これまでのスマートグラスは、サイズと重さの問題から日常使いに向かなかったが、ようやく見た目もスマートな製品が出そろう。「JINS MEME」は集中力を管理できるので、テレワークなどに役立つ。充電不要のバンド型活動量計など、真の意味で肌身離さず持ち歩けるウエアラブルデバイスによって市場が広がることは間違いない。
■軽量“スマート”グラス(上)
■フェムテックギア(下左) ■マザーブレスレット(下右)
【キーワード5】Z世代御用達
トレンドの台風の目になりつつあるZ世代が22年もブームをつくる。クリエイターとアーティストがコラボする新しい形態が音楽業界を席けんする。エンタメ発信地「MAISONdes(メゾン・デ)」を中心に、次々とヒット曲が生まれそうだ。糖質、カロリーを抑えた新しい酒「トポチコ ハードセルツァー」(コカ・コーラ)も「お酒を飲むのはかっこ悪い」と考える若者が広めそうだ。
■ハードセルツァー(上) ■MAISONdes(下)
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