2021年ヒット商品ベスト30 第30回

2021年11月4日発売の「日経トレンディ 2021年12月号」では、日経クロストレンドと11月3日に発表した「2021年ヒット商品ベスト30」を特集。27位に『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』を選出した。独特のネーミングやカラフルな描写が子供たちの心をつかみ、幅広い世代のキャラクターを登場させたことで親世代も引き付けている。20年9月のアニメ化で人気が加速し、シリーズ累計発行部数は350万を突破した。

※日経トレンディ2021年12月号の記事を再構成

27位に廣嶋玲子著『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』シリーズ(偕成社)が入った
27位に廣嶋玲子著『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』シリーズ(偕成社)が入った

前回(第29回)はこちら

【27位】ふしぎ駄菓子屋 銭天堂

 児童書の人気シリーズ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(偕成社)が規格外の成長を続けている。小説の発行部数はシリーズ累計で350万部を超えた。

 物語は、選ばれた人の前にだけ姿を現す、奇妙な駄菓子店「銭天堂」を舞台に描かれる。赤紫の着物を着た妖しげな店主・紅子が、訪れた客の悩みや願いをかなえる、不思議な力を持った駄菓子を薦める。客がそれを手にすることで物語が展開する、1話完結の短編連作だ。

■ふしぎ駄菓子屋 銭天堂
計16巻の累計発行部数は350万を突破
計16巻の累計発行部数は350万を突破
21年4月発刊の15巻の初版は異例の15万部
21年4月発刊の15巻の初版は異例の15万部
2021年ヒット商品ベスト30
【第1回】2021年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30
【第2回】21年ヒット商品1位は「TikTok売れ」 動画で消費を動かす
【第3回】「ウマ娘 」が異例のヒット アニメ&競馬ファンが熱狂
【第4回】『シン・エヴァンゲリオン劇場版』100億突破のマーケ施策とは
【第5回】Z世代発の「昭和・平成レトロブーム」が4位 施設や音楽にも波及
【第6回】「ahamo/povo/LINEMO」が5位 格安プランが半年で300万契約
【第7回】空前のマリトッツォブームはなぜ起きたか 簡単アレンジで祭りに
【第8回】「キリン一番搾り 糖質ゼロ」が快走 ビール初心者取り込む
【第9回】BTSのベストが100万枚突破大ヒット 食品も写真集も売れた
【第10回】「ピッコマ」が競合をごぼう抜き 縦読み漫画アプリの定番に
【第11回】取引件数5倍の「Visaのタッチ決済」が10位 カード5000万枚突破
【第12回】謎キャラで「カントリーマアム」大躍進 200億円突破の原動力に
【第13回】21年地方発ヒット20選  大賞は数カ月待ちの“食べるバター”
【第14回】Z世代は“海外から買う” 1900万人超が利用する「格安越境EC」
【第15回】「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」が完売続出 泡の新体験
 >>続きはこちらから
「日経トレンディ 2021年12月号」の購入はこちら(Amazon)

 今の子供たちにとって、駄菓子店は決して身近な存在ではない。だが、店舗で売られている商品の不思議な力や独特のネーミング、カラフルな描写は子供たちの心をつかんだ。また、各話の主人公となる客は、必ずしも子供だけではない。引きこもりの21歳、定年を迎えた65歳など、幅広い世代を登場させ、大人目線で描かれているのも児童書としては異例。それが子供だけでなく、親世代も引き付けている。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
この記事をいいね!する