
2021年11月4日発売の「日経トレンディ2021年12月号」では、日経クロストレンドと11月3日に発表した「2021年ヒット商品ベスト30」を特集。11位に「カントリーマアム チョコまみれ」がランクインした。長寿ブランドのお菓子「カントリーマアム」に加わった謎キャラ「まみれさん」が若者の関心を呼び、ブランド全体の年間売上が200億円を超える原動力になった。21年10月からテレビCMも始まり、まだ販売数を伸ばしそうだ。
※日経トレンディ2021年12月号の記事を再構成
【11位】カントリーマアム チョコまみれ
30年以上続くクッキーの長寿ブランドに加わった“変なやつ”が、お菓子の棚で躍動した。2020年9月に発売された「127gカントリーマアムチョコまみれミドルパック」は、年間で1500万袋を販売。「チョコまみれ」シリーズ全体では21年1月から12月で売上金額40億円に達する見込みで、カントリーマアム全体が年間200億円を超える(21年見込み)原動力となった。
■127gカントリーマアムチョコまみれミドルパック
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チョコまみれは、カントリーマアムの特徴であるチョコチップを全面に押し出し、従来よりチョコレート量を2倍に増やしてクッキーの外側までチョコレートでコーティングした商品だ。スナック菓子でも味が濃く強い「ストロング系」がはやっていることを受け、若者に向けた商品として開発された。「19年に35周年を迎えた時点で、カントリーマアムの購買層は30~40代が中心だった。今後も購買層の年齢が上がっていくことを考えると、若年層を獲得するための施策が必要だった」(不二家)
このヒットに大きく貢献したのが、パッケージの中央に描かれたゆるキャラ「まみれさん」だ。これも若者受けを狙った施策で、「ツッパリ頭にチョコまみれがぶら下がっている学生服のキャラクターを当初は考えていたが、18年に『ホームパイのみみ』のゆるキャラが好評だったことを受け、チョコレート感がより伝わる万人受けしそうなキャラクターに路線変更した」(不二家)。この考えは的中し、「この謎のキャラクターがカントリーマアムなの?」と、SNSでの盛り上がりにつながった。
19年11月に「48gカントリーマアムチョコまみれ」をセブン-イレブンで先行発売したときから既に話題となり、2カ月半ほどの予定数量が1カ月で完売。好調を受け、20年4~6月にも数量限定で全国発売した。
この間、まみれさんの話題性は把握しつつ、不二家ではあえてその解説をしなかった。20年9月まではブランドサイトも無く、キャラクター設定などは不明。これが逆に関心を呼び、謎のキャラクターとして面白がられたのだ。
■48gカントリーマアムチョコまみれ
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