Webサイトで情報発信を行っているのに反応がない。ECサイトで販売してもなかなか売れない。こうした悩みを抱える企業は多いもの。コロナ禍でWebサイトの重要性が高まっている今だからこそ、存在感を高めて顧客を捉え、そして離さない工夫が必要だ。そんなデジタル上の存在感=デジタルプレゼンスを高めるための新しい考え方を解説する。
コロナ禍で急増するネット消費、競合に埋もれない工夫が必要
2020年に新型コロナウイルス感染症の脅威が全世界を襲ってからもうすぐ2年。この脅威によって最も変化したものの1つが、社会活動である。学校やオフィスではリモート形態が進み、さまざまな活動がオンラインに切り替わった。
特に顕著なのがネットショッピング。日本通信販売協会が2021年8月に発表した「2020年度(2020年4月~2021年3月)の通信販売市場の売上高」によると、20年の通販売上高は前年比20.1%増の10兆6300億円となり、金額ベースでは前年より1兆7800億円増となった。コロナ禍によりリアル店舗で買い物ができない中、購買手段として通販が増えたことが、この結果につながったようだ。
また、総務省が発表した「ネットショッピング利用世帯の割合の推移(二人以上の世帯、2017年1月~2020年6月)」を見ると、20年3月以降急激にネットショッピングの利用が増加しており、特に65歳以上の世帯は他の年代と異なり、20年6月以降も上昇傾向にあることが分かる。リアルでの購買行動が難しくなった現在、もはや「デジタルこそリアル」といっても過言ではなく、それだけ、デジタルチャネルの重要性は高くなっていると言ってよい。
BtoB(法人向け)でも同じである。20年5月に日経リサーチが企業の購買関与者を対象に行った調査では、商品・サービスを選定するときに普段から情報収集しているチャネルとして使っているトップは「その会社のホームページ」だった。次いで「展示会・イベント」「その会社/代理店の営業担当者」となっており、営業/マーケティング活動におけるWebサイトの重要性は、以前にも増して高まっている。同調査によると、コロナ禍で展示会が自粛されている中、Web検索での情報収集が重要になり、欲しい情報にたどり着けるように検索キーワードを工夫する購買関与者が増えているという。
BtoC(消費者向け)にせよBtoBにせよ、人々の行動が確実にデジタルシフトしている今日、デジタルの中で自社のWebサイトが消費者から“選ばれる”存在になるにはどうすれば良いだろうか。
「ネットでいかに存在感を示すか」が最大の差別化ポイント
重要性が増すデジタルの世界において、数多い他サイトの中に埋もれることなく、自社のWebサイトを選んでもらうには、差異化が欠かせない。その差異化ポイントこそ「デジタルプレゼンス」だ。
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