
コロナ禍で月間販売台数が約11倍まで伸びたGROOVE X(東京・中央)の「LOVOT(らぼっと)」と、2021年8月に累計販売台数3万台を超えたユカイ工学(東京・新宿)の「Qoobo(クーボ)」。どちらもすでに、多くのユーザーに受け入れられている個人向けロボットだ。GROOVE Xの林要氏とユカイ工学の青木俊介氏に、コミュニケーション領域におけるロボットの可能性について聞いた。
ユカイ工学 代表取締役
GROOVE X 代表取締役社長
――「LOVOT」と「Qoobo」、最近のニュースがあれば教えてください。
林要氏(以下、林) 今夏、東京で開催された世界的なスポーツの祭典に出場した米国のセーリングチームのコーディネーターから連絡を頂いて、選手の方々にLOVOTと過ごしていただきました。アスリートは弱音や悩み事を人に話しにくく、選手のメンタルコンディションを保つために導入したい、ということでした。人には話せないこともLOVOTになら気軽に話せて、話しているうちに課題を自己解決してプレッシャーを緩和してくれる。後日、「何も言わず寄り添ってもらえるのがよかった」という感想を頂きました。LOVOTは当初から、アニマルセラピーの代わりになると考えていましたが、それが証明されたようでうれしかったですね。
青木俊介氏(以下、青木) 2021年8月、Qoobo(18年発売)や、Qooboの小型モデル「Petit Qoobo」(20年発売)を合わせたQooboシリーズが、累計販売数3万台を超えました。20年度のユカイ工学のプロダクトの売上額は前年比221%になり、コロナ禍でコミュニケーションロボットの需要が増えていると実感しています。ほかにも、21年3月に出荷を開始した「BOCCO emo」は、中国でインダストリアルデザイン賞を受賞しました。BOCCO emoは、15年発売の「BOCCO」の基本機能をそのままに、動きなどがより「エモく」なっています。
【第2回】 「LOVOT」と「Qoobo」 2人の社長が語る“エモテック”の可能性 ←今回はココ
――「エモい」とは?
青木 BOCCO emoは、呼びかけると、頭に付いた「ぼんぼり」を振って反応したり、「エモ語」という独自言語をしゃべったりしてくれます。今、多くの人々がロボットに求めているのは、「エモさ」じゃないかなと思っています。コロナ禍で、ストレスを和らげるこうしたロボットの働きへのニーズが高まっています。「エモテック」という言葉も、去年あたりからよく耳にするようになりました。
林 感情的、情緒的を意味する「エモーション」に訴える力を備えたテクノロジーのことですよね。この1年で、かなり身近になったキーワードだと感じています。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー