
加速するメタバースブーム。そんな中、現在のトレンドの基点となっているのが、「Fortnite(フォートナイト)」だ。そして、同ゲームを展開する米Epic Games(エピックゲームズ)は、実はメタバースで覇権を握る最有力候補という声もある。エピックの強さの理由を、海外のXR事情にも詳しいMESON(東京・渋谷)のディレクターが分析する。
米ノースカロライナ州に老舗のゲーム開発会社がひっそりとたたずんでいる。決して都会ではないこの地域に本社を構えるのが、米エピックゲームズだ。同社は1991年、創業者ティム・スウィーニー氏によってPotomac Computer Systemsの名前で創業された。
エピックは紛れもなく世界有数のゲーム会社だ。現在、市場関係者から最もメタバースの実現に近い企業として注目を集めている。なぜ、そう考えられているのか、追っていくと強さの理由として3つの「C」が浮かび上がってきた。
東京都の人口に等しいユーザーが同時接続するゲーム世界
3つの「C」を説明する前に、まずは規模に注目しておきたい。
エピックが発表した2020年の振り返りブログによると、同社が展開するデジタルストア「Epic Games Store」のPCユーザー数は1億6000万人を超え、デイリーアクティブユーザー数は前年度比192%増の3130万人だったという。
エピックの代名詞といえるのが、「Fortnite(フォートナイト)」。同ゲームの登録ユーザー数は20年には全世界で3億5000万人を超えているという。中でもZ世代に爆発的な人気を博している。
フォートナイトは無料のバトルロイヤルゲームで、最大100人ほどのプレーヤーが一度に戦う構成。だが、それだけではない。今では、ライブが開催されたり、ただ集まってコミュニケーションを取ったり、集う場となっている。あるイベントでは、同時接続ユーザー数が1300万人という驚異の集客力を示した。これは現在の東京都の人口に等しく、言い換えれば小さな仮想空間上に東京都の人口に相当するユーザーが一度に集結したのだ。
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