コマース・小売り、インシュアテック、フィンテックの領域で、これから何が起きるのか。2021年から22年にかけて大きく飛躍が期待できるベンチャーを、VC(ベンチャーキャピタル)に聞く本連載。第4回は、東京・渋谷を中心に、ベンチャーと大手企業の共創を生み出すPlug and Play Japan(東京・渋谷)に、国内外の新潮流を引っ張る企業やサービスを聞いた。
Plug and Play Japan Fintechディレクター
Plug and Play Japan Insurtechディレクター
個人も「CO2排出量」で商品を選ぶ時代に
――2021年は、ESG(環境、社会、ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)がキーワードとして様々なシーンで語られるようになりました。ベンチャー企業の動きや今後のトレンドは。
貴志優紀氏(以下、貴志) フィンテックの領域でも、ESGやSDGsの観点、サステナビリティー(持続可能性)の視点がより求められるようになると考えています。ポイントは、データを活用して、日常の個人の購買行動をどのように変容させていくかということ。
この領域はやはり欧州が先行しています。例えば、注目の1社がスウェーデンのDoconomy(ドコノミー)です。同社は二酸化炭素(CO2)の排出量を可視化することに注力。マスターカードと提携し、購入した商品が原材料の調達、生産、流通などの過程で、どれほどのCO2を排出しているか、カーボンフットプリントを可視化するサービスを提供しています。同じくスウェーデンのKlarna(クラーナ)という、金融系のスタートアップとも提携し、決済した商品のカーボンフットプリントをユーザーに提示するサービスも提供。ユーザーは、環境負荷の度合いを見て、商品の購入を判断できます。
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