コマース・小売り、インシュアテック、フィンテックの領域で、これから何が起きるのか。2021年から22年にかけて大きく飛躍が期待できるベンチャーを、VC(ベンチャーキャピタル)に聞く本連載。第4回は、東京・渋谷を中心に、ベンチャーと大手企業の共創を生み出すPlug and Play Japan(東京・渋谷)に、国内外の新潮流を引っ張る企業やサービスを聞いた。

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貴志 優紀氏 (左)
Plug and Play Japan Fintechディレクター
2008年ドレスナー・クラインオート証券に新卒で入社後、09年にドイツ証券へ転職。金融商品のバリュエーション、決済などオペレーション業務に従事。ケンブリッジ大学でMBA取得後、18年5月よりPlug and Play Japanに参画。FintechとBrand & Retail部門のディレクターを務める(肩書は21年12月時点のもの)

李 暢氏 (右)
Plug and Play Japan Insurtechディレクター
中国・四川生まれ。立命館アジア太平洋大学卒業後、大手生保会社にて資産運用やM&A業務に従事。香港大学でMBA取得後、18年12月に Plug and Play Japanへ入社。インシュアテック部門のディレクターを務める

個人も「CO2排出量」で商品を選ぶ時代に

――2021年は、ESG(環境、社会、ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)がキーワードとして様々なシーンで語られるようになりました。ベンチャー企業の動きや今後のトレンドは。

貴志優紀氏(以下、貴志) フィンテックの領域でも、ESGやSDGsの観点、サステナビリティー(持続可能性)の視点がより求められるようになると考えています。ポイントは、データを活用して、日常の個人の購買行動をどのように変容させていくかということ。

 この領域はやはり欧州が先行しています。例えば、注目の1社がスウェーデンのDoconomy(ドコノミー)です。同社は二酸化炭素(CO2)の排出量を可視化することに注力。マスターカードと提携し、購入した商品が原材料の調達、生産、流通などの過程で、どれほどのCO2を排出しているか、カーボンフットプリントを可視化するサービスを提供しています。同じくスウェーデンのKlarna(クラーナ)という、金融系のスタートアップとも提携し、決済した商品のカーボンフットプリントをユーザーに提示するサービスも提供。ユーザーは、環境負荷の度合いを見て、商品の購入を判断できます。

スウェーデンのドコノミーは、製品に関して商品のライフサイクル全体のCO2排出量を可視化するツールを提供。日本企業もドコノミーのアルゴリズムを活用したサービス開発を進めている
スウェーデンのドコノミーは、製品に関して商品のライフサイクル全体のCO2排出量を可視化するツールを提供。日本企業もドコノミーのアルゴリズムを活用したサービス開発を進めている
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