2022年に飛躍しそうな業界やスタートアップは何か――。VC(ベンチャーキャピタル)に聞く連載の第3回は、シード期やアーリーステージのスタートアップに幅広く投資し、約300億円を運用しているコーラル・キャピタル(東京・千代田)。シニアアソシエイトの吉澤美弥子氏に、注目のトレンドや企業を聞いた。

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吉澤 美弥子氏
コーラル・キャピタル シニアアソシエイト
慶応義塾大学看護医療学部卒業。大学在学中に海外のヘルステック(デジタルヘルス)企業に関して取り上げるオンラインメディア、HealthTechNewsを立ち上げ、2016年M Stageに売却。500 Startups Japan(現・コーラル・キャピタル)参画以降は医療、ヘルスケア関連のスタートアップを中心に投資業務に従事。スタートアップ業界の健康増進や労働環境改善にも深い関心があり、21年6月には2万人以上のスタートアップ従業員とその家族に対し、新型コロナワクチン職域接種をリードした。

――2021年のスタートアップ業界の動向は。

吉澤美弥子氏(以下、吉澤) 一番大きな変化としては、海外の投資家が日本のベンチャーのシリーズB(事業が軌道に乗り始めた段階からの規模拡大フェーズ)以降で、積極的に投資をするようになってきたことです。資金調達の規模が、場合によっては一桁上がり、数十億円ほどになるといったことも起きています。

 例えば、製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を手掛けるキャディ(東京・台東)が、シリーズBで複数の海外投資家を含めて約80.3億円の大規模調達を実施。また、クラウド人事労務サービスを展開するスマートHR(東京・港)はシリーズD(レイターステージ)で、約156億円を米Sequoia Capital Global Equitiesといった著名海外投資家などから調達しています。

――スタートアップへの資金供給が続く中、コロナ禍で多くの業界に変革が起きています。21年に動きがあった領域や業界は。

吉澤 私たちは以前からレガシー産業に注目していました。製造業や物流、ヘルスケアなど、産業の規模が大きいものの、デジタル化、DXがなかなか進んでいなかった領域です。15年ごろから本格的に投資を進めてきましたが、有用なプロダクトが生まれても現場での導入の機運はあまり高まっていませんでした。ですが、このコロナ禍で一気に注目度が高まっています。

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