日経トレンディ スタートアップ大賞 第10回(写真)

2021年10月4日発売の「日経トレンディ 2021年11月号」では、「スタートアップ大賞2021」を特集。エンタメやフィンテックの分野で、新しい事業が次々に開花している。アンビリアル(東京・台東)が運営するバーチャルカラオケ配信アプリ「トピア」は、ライブ配信者の表情を捉えてアバターの動きに反映する様が人気を博す。スマートバンク(東京・渋谷)は、プリペイドカードと家計簿アプリがセットになった支出管理サービス「B/43(ビーヨンサン)」を提供。クレカを使わない若者を狙う。

※日経トレンディ2021年11月号の記事を再構成

アバターを使ったライブ配信アプリや新タイプのフィンテックなどが利用者を伸ばしている
アバターを使ったライブ配信アプリや新タイプのフィンテックなどが利用者を伸ばしている

前回(第9回)はこちら

バーチャルカラオケ配信アプリ アンビリアル

新規性★★ 影響力★★ 成長性★

 顔出しをせずに、アバターの姿でライブ配信できるスマホアプリ「トピア」を運営するアンビリアル(東京・台東)。JOYSOUNDと提携したカラオケ機能が人気で、2021年には複数人が集い順番に歌える新機能などを追加した。課金ギフト(投げ銭)を受け取ったアクティブユーザー数は、月間で5000人に到達。今後は、スマホだけで有料チケット制のバーチャルライブが開催できる機能も準備している。

●トピア
●トピア
高精度の顔認識機能を備えており、配信者の表情を捉えてアバターの動きに反映する。カラオケ機能は無料、時間無制限。画面上のアバターが歌って踊る様が人気
代表取締役の前原幸美氏。スマホゲーム会社のサーバーエンジニアなどを経て起業。プロデューサーとしてトピアを開発する
代表取締役の前原幸美氏。スマホゲーム会社のサーバーエンジニアなどを経て起業。プロデューサーとしてトピアを開発する

縦スク漫画プラットフォーム コミチ

新規性★★ 影響力★★ 成長性★★

 漫画の分野で若者に人気なのが、スマホで縦スクロールしながら読むのに最適化された作品。コミチ(東京・渋谷)は、日本の新人漫画家による“縦スク”作品を読めるプラットフォームだ。読者は1話ずつ50円程度で購入でき、漫画家は企業から広告漫画の発注が受けられる。新人漫画家が稼ぎやすい工夫をしている。

●コミチ
●コミチ
スマホに特化した、縦にスクロールして読む漫画を展開。「ドラゴン桜2」など、既存の人気漫画も“縦スク化“して提供する。企業や団体とコラボで賞金付きの作品募集企画も多数実施し、漫画家を養成する
「龍と虎 縦スクロール版」
「龍と虎 縦スクロール版」
代表取締役の萬田大作氏。作家支援のコルクのCTOを経て18年に起業。出版社向けウェブ雑誌化・DX支援も提供
代表取締役の萬田大作氏。作家支援のコルクのCTOを経て18年に起業。出版社向けウェブ雑誌化・DX支援も提供

YouTubeアニメ配信 ソラジマ

新規性★★ 影響力★★ 成長性★★

 ソラジマ(東京・渋谷)はYouTubeアニメをつくる制作会社。クリエイターがつくったキャラクターとその世界観を使い、オリジナルのアニメをつくる。作者はアニメ制作をせずとも、認知度を高められる。既に多くのYouTubeアニメがヒットしており、大手出版社も続々参入。今後も市場の拡大が見込める。Webtoon(ウェブ上の縦型漫画)事業にも参入している。

●YouTubeアニメ「ヤクザと目つきの悪い女刑事の話」
●YouTubeアニメ「ヤクザと目つきの悪い女刑事の話」
晴十ナツメグ原作の漫画を活用したアニメ「ヤクザと目つきの悪い女刑事の話」がヒット。反社会的勢力組織の一員である轟蛍一と、刑事・蟻ヶ谷雪の恋を描く(画像/SORAJIMA Studio提供)
YouTubeチャンネルの登録者数は46.3万人(21年10月中旬時点)
YouTubeチャンネルの登録者数は46.3万人(21年10月中旬時点)
代表取締役の萩原鼓十郎氏。15年に三菱商事に入社、19年に起業。21年はYouTubeアニメ人気の波に乗り、売り上げが前年比650%と伸長
代表取締役の萩原鼓十郎氏。15年に三菱商事に入社、19年に起業。21年はYouTubeアニメ人気の波に乗り、売り上げが前年比650%と伸長

プロeスポーツチーム リジェクト

新規性★★ 影響力★★ 成長性★★★

 設立2年半で世界大会に9回の出場を果たし、「賞金総額3億円リーグ」(PMJL)で首位をキープするプロeスポーツチーム「REJECT」を運営するリジェクト(東京・文京)。同社の売上高は、前期比520%と急成長を遂げている。21年9月には、アパレルブランドをスタート。eスポーツ関連の人材育成事業やコンサル事業なども手掛け、規模を拡大する。

●REJECT GAMING BASE
●REJECT GAMING BASE
21年9月に、完全防音の本格的なゲーミングルームを開設。プロ選手の拠点として活用していく
選手が使用するゲーミングデバイスはスポンサー契約によって最新鋭の機器をそろえている
選手が使用するゲーミングデバイスはスポンサー契約によって最新鋭の機器をそろえている
代表取締役の甲山翔也氏。少年時代からeスポーツ選手として活躍。同志社大学在学中に、19歳で起業
代表取締役の甲山翔也氏。少年時代からeスポーツ選手として活躍。同志社大学在学中に、19歳で起業

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