日経トレンディ スタートアップ大賞 第1回(写真)

2021年10月4日発売の「日経トレンディ 2021年11月号」では、「スタートアップ大賞2021」を特集。街なかに広がる植物肉に、ゆるくつながる音声SNS、Z世代に向けた後払い決済など、スタートアップが手掛けてきた事業が相次いで花開き始めた。「未来をつくる」という観点から、新規性や影響力、成長性に優れるすごいスタートアップ企業を紹介する。

※日経トレンディ2021年11月号の記事を再構成

ニューノーマルの暮らしを支えるテック&サービスが出そろった
ニューノーマルの暮らしを支えるテック&サービスが出そろった

 アフターコロナを前に、今、スタートアップが手掛けてきた新事業が続々と開花している。INITIALによると2020年の国内ベンチャーの総調達額は、年間5222億円と19年に及ばなかった。これが21年上半期は既に3245億円を突破し、V字回復の兆しを見せている。ウィズコロナ時代に適したスタートアップが注目され、様々な企業が成長し始めている。新時代には、スタートアップの発想こそ求められると言っていいだろう。

 日経トレンディでは「未来をつくる」という観点で、新規性、影響力、成長性から見た、スタートアップ35企業を紹介する特集を組んだ。まずはこれらに共通するキーワードを紹介したい。

■スタートアップの調達額がV字回復の兆し
■スタートアップの調達額がV字回復の兆し
国内ベンチャーの資金調達総額と調達社数は落ち込んだ20年に対して、21年は好調。INITIAL「2021年上半期 Japan Startup Finance ~ 国内スタートアップ資金調達動向 ~」のデータを基に編集部で作成
スタートアップ大賞2021
【第1回】決定!スタートアップ大賞2021 「ゆるSNS」「街なかフードテック」…←今回はココ
「日経トレンディ 2021年11月号」の購入はこちら(Amazon)

 1つめは、「街なかフードテック」だ。特に最近増えた植物肉などの新機軸のたんぱく質食品がさらに身近なものになりそうだ。TWOは、植物性原材料のみで作ったファストフードを提供するチェーン店「2foods」を立ち上げた。コンセプトをヘルシージャンクフードと掲げており、植物性食品のイメージをがらりと変えるだろう。

 流通の新潮流としては、人手不足解消につながる自動販売機の新ビジネスもある。New Innovationsはスマホであらかじめ注文すると、指定した時間にいれたてのスペシャルティーコーヒーが無人ロッカーから受け取れる。無人コンビニを手掛けてきた600は、マンション向け無人ストア「Store600」を開発。マンション内に設置した筐体の中で、住人やスペースに合った商品をセレクトして販売。利用者はスマホアプリで解錠して商品を取り出し、決済まで完了できる。

【キーワード】街なかフードテック

 植物肉などのプラントベースフードが街なかにあふれる時代になってきた。さらに、非接触で食品や飲料を受け取る自販機サイズの無人ストアが次々と誕生している。個々に最適な食事を提供するパーソナライズの波がペット食にも波及するなど、22年はフードテックが本格離陸する年になりそうだ。

●New Innovations
●New Innovations
AIカフェロボット「root C(ルートシー)」。コーヒー需要を事前に予測して抽出を開始し、消費者は移動途中にアプリを開いて注文も可能
●TWO(上段)
●DAIZ(左下)
●PETOKOTO(右下)
●TWO(上段)<br>●DAIZ(左下)<br>●PETOKOTO(右下)
TWOの店舗「2foods」では、植物性原材料で作った代替卵を使用するヘルシージャンクフードを販売(上段)。DAIZの大豆“代替肉”(左下)やPETOKOTOのD2Cペットフードも注目(右下)

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