
2021年10月4日発売の「日経トレンディ 2021年11月号」では、「フィンテック最前線」を特集。ここ数年、街のあちこちでキャッシュレス決済できるシーンが一気に増えた。しかしフィンテックによる脱現金化の流れは、これからさらに加速する。より便利に、より賢く、そしてよりお得に。今起きている3大トレンドを踏まえ、22年に当たり前になる金融の世界をいち早く紹介する。
※日経トレンディ2021年11月号の記事を再構成
クレジットカードやQRコード決済では埋められない、キャッシュレスの“すき間”。そこを狙った今までにないタイプの決済が相次ぎ登場している。
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背景にあるのが、最新FinTech(フィンテック)を取り巻く3大トレンドだ。「ペイロール」「法改正」「BaaS」がそれ。事業者が新しい挑戦に乗り出しやすい下地が整ったことが大きい。
1つ目のペイロールとは、厚生労働省が解禁に向けて検討を進めている給与のデジタル払いのこと。実現すれば、銀行口座以外のキャッシュレス決済で給与を受け取り可能になる。
この動きに息巻くのが、プリペイドカード事業者など。企業がプリカの残高に、毎月給与の一部もしくは全額を送金できる仕組みが整えば、利用者は都度チャージする手間から解放されるからだ。銀行口座に直結するデビットカードと使い勝手の面で差がなくなり、日常使いする魅力が増える。
プリカならではの課題解決型サービスの一例が「家族共有プリカ」である。夫婦や親子間のお金の流れをキャッシュレスで整える工夫を凝らしたもので、家族内のお金のやり取りに悩んでいた人が既に使い始めている。
海外から日本に上陸した、24時間いつでも残高を別の通貨に変えられる「外貨両替デビットカード」の提供事業者の鼻息も荒い。コロナ禍後には海外旅行需要が復活する見通しだからだ。現在は銀行振り込みやクレカによるチャージが欠かせないが、ペイロール解禁で利便性が一気に高まる。
【3大トレンド】① ペイロール
ペイロール(payroll)とは給与や給与の支払い名簿を指す英単語で、米国では企業がチャージ式のペイロールカードを発行し、チャージする形で給与を支払う手法が普及している。日本でも導入に向けた議論が進んでいる。「給与のデジタル払い」とも呼ばれる。
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