「東京ゲームショウ2021 オンライン」リアル展示会場のセガ・アトラスブースは、『バーチャファイターeスポーツ』『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』『真・女神転生V』などを展示。今回はその中から『LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶』の試遊をリポートする。試遊コーナーにはあの人が待っていた。
『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』は、2018年に発売された『JUDGE EYES:死神の遺言』の続編。木村拓哉さんをモデルにした元弁護士の探偵、八神隆之が、今度は横浜を舞台に事件の謎を解明する。ゲームシステムは『龍が如く』と同じで、オープンワールド的な舞台を自由に探索し、ストーリーを進める。ストーリーとは別に楽しめるミニゲームやサブストーリーが満載で、ボリューム感が尋常ではないタイトルだ。
「東京ゲームショウ2021 オンライン」(TGS2021 ONLINE)が開幕する直前の21年9月24日に発売しており、すでに多くの人がプレーし始めている。従って、TGS2021 ONLINEでの試遊も開発中のソフトではなく、販売している製品版で行っていた。
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『LOST JUDGMENT』が試遊できるコーナーは、セガ・アトラスブースでも最も作り込まれていた。内装は、新宿・歌舞伎町をモデルにした作中の街・神室町にある八神の探偵事務所がモチーフ。さらに、そこには元東城会系松金組組員で、今は八神探偵事務所の調査員として働く八神の相棒・海藤正治(にふんした説明員)が待ち構えていた。これは直感的に「やばいものに遭遇した」と感じた。
だがその印象は即座に変わる。この海藤、優しいのだ。部屋に入るや否や、少しどす声ながらも「よく来たな、ター坊」と出迎えてくれる海藤。「プレー動画をキャプチャーして持ち帰るか」と聞かれた。もちろんお願いしたいところだが、残念ながら、保存するためのメディアが持ち合わせていない。そう答えると、海藤がSDカードを用意しているから問題ないという。なんて、気が利くんだろう。『LOST JUDGMENT』の試遊に来て本当に良かった。
いざ試遊が始まると、敵を見つけ出す方法や戦い方などを細かくアドバイスをしてくれる。命令するのではなく、提案してくるのが素晴らしい。「仙薬っていうのを使ってみるのはどうだ。雷切丸がお薦めだ」といった具合。あくまでも試遊しているゲストに選択を委ねてくれるので、自分でプレーしている感は損なわれない。しかも雷切丸の効果はすさまじく、その演出もかっこいい。海藤は、アイテムのチョイスも完璧だ。
バトルを繰り返し、さまざまな技を試したあと、海藤はおもむろに「八神はダンスもできるんだぞ」と話しかけてきた。「それは試してみねば」とうなずくと、学校のダンス部に行くよう誘ってくれた。ダンスの仕方は“音ゲー”と同じだと、分かりやすく説明。プレー中は「キレッキレじゃないか!」「やるじゃないか!」と終始褒めてくれる。極め付きは、ダンスの結果が「B」評価だったにもかかわらず「すごいじゃないか、Bだぞ!」と褒めちぎる……ここに至って思った。何というか、この海藤はダメだ。人を調子に乗せてしまう……。
ひと通りプレーを終えたころにはすっかりプレー動画のキャプチャーのことを忘れていた筆者。だが、ブースを出ようとした瞬間、すかさず海藤がSDカードを差し出した。もはや「さすが」という言葉しか浮かばない。最後に、一緒に写真撮影もしてもらい、セガ・アトラスブースをあとにした。
これだけの恩義を受けたら、もはや『LOST JUDGMENT』をすぐに購入する以外の行動は取りたくない。唯一の懸念は、ゲーム中の海藤が、ブースにいた海藤ほどの人物であるかどうか。まあ、それでも試遊で残った海藤と思い出があれば、それだけで『LOST JUDGMENT』は楽しくプレーできる。そう思えた体験だった。
(写真/酒井康治)
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