東京ゲームショウ2021 オンライン開催中の2021年9月30日、日本eスポーツ連合(JeSU)は幕張メッセのリアル展示会場内で発表会を開き、日本とサウジアラビアの発展と振興、両国間の友好を深めることを目的としたeスポーツ国際大会「日本・サウジアラビアeスポーツマッチ」について発表した。
日本・サウジアラビアeスポーツマッチは、ホーム&アウェイ方式で、まずは2021年10月2、3日に日本で開催するJAPAN ROUNDから始まる。対戦に使用するタイトルは、『eFootball 2022』『グランツーリスモSPORT』『THE KING OF FIGHTERS XIV』『鉄拳7』『ストリートファイターV CE』の5タイトル。それぞれのタイトルで日本代表選手とサウジアラビア代表選手が戦い、雌雄を決する。
日本・サウジアラビアeスポーツマッチは、18年に開催を発表したが、新型コロナウイルスの感染拡大などさまざまな事情により延期されていた。もともとは日本とサウジアラビアの2国間の戦略的パートナーシップを取りまとめた「日・サウジ・ビジョン 2030 2.0」プロジェクトの一環だ。同プロジェクトは17年に策定され、経済面・文化面の幅広い分野で多くの協力事業を行うことを目的としており、eスポーツ以外にも、日サ共同制作のアニメシリーズの日本放映や、サウジアラビア初の日本のアニメ公式イベントなども含まれている。
日本とサウジアラビアはゲームでの関係性はなさそうに思えるが、実は今回、対戦タイトルの1つとなった『THE KING OF FIGHTERS XIV』は、日本で生まれ、その後、開発会社が韓国、中国と渡り、今はサウジアラビアのゲーム会社が権利を保有している。日本でもなじみのあるタイトルが今でもサウジアラビアの資本によって制作され、日本でもプレーされているのは運命的ではある。
発表会に登壇したサウジアラビアeスポーツ連盟のターキ・アルファザンCEOは、大会を通じて両国の橋渡しになることと同時に、eスポーツがより発展することを望むと言及した。さらに大会は勝敗の結果がどうあれ、両国の絆が深まることが重要だと述べた。
このコメントは、今回対戦するタイトルがいずれも日本選手やチームが世界大会で活躍しているタイトルで、日本が優位とみる向きが多いこともあってだろう。だが、結果は終わってみるまで分からない。例えば今回の対戦タイトルに選ばれている『鉄拳7』では、強豪選手がいるどころか「そもそも『鉄拳7』をやっている人がいるの?」という認識だったパキスタンが、日本の強豪を大会で次々と倒して優勝した前例がある。まだ見ぬ強豪がサウジアラビアにいないとは限らない。
発表会では、大会アンバサダーを務めるタレントの武井壮氏を迎え、トークセッションと大会フラッグへのサイン式も行った。経済産業省大臣官房審議官IT戦略担当の藤田清太郎氏が登壇し、日・サウジ・ビジョン2030では、日本・サウジアラビアeスポーツマッチによって両国間の交流に相乗効果が起こるとコメントした。
(写真/志田 彩香)
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