マイクロソフトは2021年9月30日、「東京ゲームショウ2021 オンライン」(TGS2021 ONLINE)の公式番組「Tokyo Game Show 2021 Xbox Live Stream」で、クラウドゲーミングサービス「Xbox Cloud Gaming」を日本で21年10月1日より正式にサービスを開始すると発表した。番組ではWindowsパソコン、iPhone、iPadなどで遊ぶ映像を公開し、様々なデバイスでXboxのゲームが楽しめることをアピールした。
「Xbox Cloud Gaming」は、マイクロソフトが提供しているゲームのサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass Ultimate」(月額1100円、税込み)に含まれている。日本語対応した100本以上のゲームをインターネット経由で遊べるもので、同社の「Xbox」シリーズのゲーム機だけでなく、Windows 10搭載パソコン、米アップルのiPhoneやiPad、米グーグルのAndroid OSを搭載したスマートフォンやタブレットでもXboxのゲームを楽しめる。必要な動作環境や動作確認機種などはWebサイトで確認できる。
日本市場に本腰 ゲーム制作者にもメリット
日本市場への取り組みにも力を入れる。番組では、日本で若者たちがパソコンやスマホなどのデバイスを使って、自宅やカフェ、オフィスなど様々な場所からXbox Cloud Gamingでゲームを楽しむというプロモーションビデオが公開された。ネット環境があればどこでも楽しめるクラウドゲーミングの魅力をアピールすると同時に、日本市場への本気度が伝わってくる内容だ。
人気タイトルも多数そろえる。『ドラゴンクエストXI S』『ドラゴンクエストビルダーズ2』(スクウェア・エニックス)、『龍が如く7』(セガ)、『SCARLET NEXUS』(バンダイナムコエンターテインメント)といった国産タイトルをプレーできる。『Forza Horizon 5』や『Halo Infinite』(いずれもXbox Game Studios)といった人気シリーズもリリース予定だ。
日本と同時にオーストラリア、ブラジル、メキシコでもサービスを開始し、合わせて26カ国で展開することになる。マイクロソフトによると、近年では日本はXboxにとって世界で最も速く成長している市場だという。マイクロソフトのXbox責任者であるフィル・スペンサー氏は番組で、「Xboxを持っていなくてもXboxのゲームを体験できる。どこにいても、どのデバイスを使っても、Xboxコミュニティーに参加できる」とクラウドゲーミングの魅力をアピールした。
定額制で様々なゲームを遊べるサブスクリプションサービスや、ゲーム機がなくても遊べるクラウドゲーミングは、ゲーム制作者側にとっても追い風になる。番組では、フィル・スペンサー氏とTango Gameworks代表の三上真司氏による対談も公開した。その中で三上氏は「ゲームのサブスクリプションが登場し、さらにクラウドゲーミングが登場してきたことが我々には追い風になる。SNSやソーシャルゲームなど様々なコンテンツがある中で、短い時間で個性的なゲームを遊びたいという人が大勢いる。若い人を中心に、より新しくとがったゲームを作っていきたい我々にとっては、非常に魅力的なマーケット」と述べた。
Xboxはゲーム機の名前ではなく、PCゲーミングや、デバイスに依存せず遊べるクラウドゲーミングも含めた、ゲームプラットフォームのブランドになっている。これまで日本ではあまり目立っていなかったXboxだが、クラウドゲーミングサービスの開始で風向きが変わるかもしれない。
(写真提供/マイクロソフト)
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