著名なゲーミングブランドとコラボしつつ、今年1月からゲーミング家具に進出、20点以上もの商品を展開しているイケアが、東京ゲームショウに同社初となるブースを出展した。今秋以降に発売される新商品も含め、同社店舗と同様にトータルコーデを意識した展示は来場者の注目を集めていた。

イケアのブース正面に設えられたコーデは黒が基調。その中心となるのは、今回の東京ゲームショウで初披露となる「UPPSPEL(ウップスペル) ゲーム用デスク(電動昇降機能付き)」。天板のサイズは180×80cmとかなりゆったり
イケアのブース正面に設えられたコーデは黒が基調。その中心となるのは、今回の東京ゲームショウで初披露となる「UPPSPEL(ウップスペル) ゲーム用デスク(電動昇降機能付き)」。天板のサイズは180×80cmとかなりゆったり

黒白2パターンのコーデで商品を展示

 2021年春に4999円(税込み)と、5000円を切る驚異的な価格のゲーミングチェアを発売して話題を呼んだイケア。ゲーミングチェアだけにとどまらず、デスク、マウスパッド、LEDリングライトなど、アクセサリーも含め、9月末の時点で25点もの商品を展開している。そのイケアが、東京ゲームショウ2021 オンライン(TGS2021 ONLINE)にブースを出展。同社がゲーム関連イベントに出展するのは、中国での前例があるものの、国内では今回が初となる。

 同社のゲーミング商品は21年1月に中国で発売されたのを皮切りに、4月から日本、10月から全世界と、アジアを中心に商圏を広げてきている。オランダのeスポーツ専門調査会社Newzooが発表した「グローバルゲームマーケットレポート2021」によれば、21年末までに世界のゲームプレーヤー人口は約29億人になる見込み。しかもその半分以上はアジア地域に集中しているという。イケアがゲーミング関連商品に注力し、それもアジアを中心に展開しているのはこうした市場調査の結果を重視しているからだ。当然、東京ゲームショウにかける意気込みも大きなものがあった。

 同社のブースでは、実店舗と同様に、デスクとチェアを中心としたトータルコーディネートを意識した展示をしていた。しかも、一般的なゲーミング関連商品と同様の黒を中心としたセットだけでなく、同社ならではの白を基調としたバリエーションでもう1セットを組んであるところが1つの見どころ。ゲーマー人口は約46%が女性であるというデータに基づき、同社では女性を意識したカラーバリエーションも展開していくことを明言している。それをアピールした形だ。

 しかもブースでは黒と白、どちらのコーデが好みかを選択してツイートすると、抽選で3名にゲーミングチェアが当たるキャンペーンも実施していた。白を基調としたカラーバリエーションは日本からのリクエストで展開が決まったとのこと。そういう意味でも力が入っているのだろう。

ブース内部には、「GRUPPSPEL(グルッスペル) ゲーム用チェア」の白モデルを中心に、白を基調としたコーデで商品をディスプレーしたスペースが。ゲーミンググレードのアイテムは黒いものばかりだからといって、家具まで黒くはしたくない、という人は意外と多いのではないだろうか?
ブース内部には、「GRUPPSPEL(グルッスペル) ゲーム用チェア」の白モデルを中心に、白を基調としたコーデで商品をディスプレーしたスペースが。ゲーミンググレードのアイテムは黒いものばかりだからといって、家具まで黒くはしたくない、という人は意外と多いのではないだろうか?

チェアとデスクの新製品を出品

 さらに、新商品のデスクとチェアも展示していた。

 デスクは「UPPSPEL(ウップスペル) ゲーム用デスク(電動昇降機能付き)」で、電動モーターにより、天板の高さを72~120cmで自由に調整できる。椅子の座面との位置関係で最適な高さに設定するだけでなく、立ったままの作業にも対応させられるところがポイントだ。4通りの高さをプリセットしておけば、よく使う高さにワンタッチで移動させられる。イケアは電動昇降機能付きのデスクを以前から出しているが、このプリセット機能は今回の商品で初めて搭載した。

 天板のサイズは140×80cm(税込み7万9990円)と、180×80cm(同8万4990円)の2サイズが用意されているのもこの製品の特徴の1つ。今はマルチモニター環境にしているユーザーが少なくなく、横方向に2画面分のサイズの液晶モニターも販売されているため、PC用デスクを選択する際にもデスクの横幅は重要な要素となり得る。部屋の大きさ、あるいはゲーミング環境にマッチしたサイズが選べるところにユーザーの需要をリサーチしていることがうかがえる。

 チェアは、「GRUPPSPEL(グルッスペル) ゲーム用チェア」で、発売は22年1月、価格は未定。こちらはファブリックの黒と白、総レザー張りと、3モデルを展開するとのこと。ヘッドレストが装備されていることもあり、特に総レザー張りのモデルは同社のゲーミングチェアとしては比較的高額な商品となるのではないだろうか。

 台湾エイスーステック・コンピューター(ASUS)が展開するゲーミングブランド「ROG(Republic of Gamers)」の協力を得ているだけあって、今回の新商品もそつのない作り。特に電動昇降機能付きデスクで横幅の広いモデルは、ゲーマーはもちろん、自宅で業務をこなすテレワークユーザーにも受けそうだ。

「UPPSPEL(ウップスペル) ゲーム用デスク(電動昇降機能付き)」に乗せられていたのは、24インチ相当のモニター2画面分の横幅を持つASUSの「ROG Strix XG49VQ」。電導床高機能によって高さを調整できるので、快適な使い勝手が得られる
「UPPSPEL(ウップスペル) ゲーム用デスク(電動昇降機能付き)」に乗せられていたのは、24インチ相当のモニター2画面分の横幅を持つASUSの「ROG Strix XG49VQ」。電導床高機能によって高さを調整できるので、快適な使い勝手が得られる
「UPPSPEL(ウップスペル) ゲーム用デスク(電動昇降機能付き)」のコントロールユニット。1~4のボタンに好みの高さをプリセットできる。左には高さを数字で表わすディスプレーを装備
「UPPSPEL(ウップスペル) ゲーム用デスク(電動昇降機能付き)」のコントロールユニット。1~4のボタンに好みの高さをプリセットできる。左には高さを数字で表わすディスプレーを装備
3タイプの「GRUPPSPEL(グルッスペル) ゲーム用チェア」を並べて撮影した。手前2つが座面や背もたれの表面をファブリックで仕上げたもの。右上の黒い椅子は総レザー張り。好みや組み合わせるデスク、インテリアにあわせて選択できる
3タイプの「GRUPPSPEL(グルッスペル) ゲーム用チェア」を並べて撮影した。手前2つが座面や背もたれの表面をファブリックで仕上げたもの。右上の黒い椅子は総レザー張り。好みや組み合わせるデスク、インテリアにあわせて選択できる

イケアの隣にはコラボ相手のROGがブースを出展

 実はイケアの製品は、別の場所でも見ることができた。それが、イケアの隣にブースを構えるROGのブース。イケアがゲーミング関連商品を開発する際にコラボしたことから、隣にブースを構える流れになったのだという。こちらではイケアのブースとはまた違ったコンセプトで商品がディスプレーされているので、商品を選ぶ際の参考になるだろう。

 ROGのブースで注目は、白いコーデのデスク。こちらは「機動戦士ガンダム」とのコラボ商品を中心に機器がセットアップされている。ゲーミングPC、ディスプレー、ルーターと、どれもがかなり本気で作られているのがよく分かる。

 特にゲーミングPCはCPUクーラーにもガンダムのレリーフが入っているほか、内部の電源コードもガンダムカラー。極めつけにサイドパネルのクリア部分にアムロ・レイ役の声優、古谷徹のサインが入った世界に1つの特別バージョンなのだ。

ROGのブース。奥に見えているのがイケアのブースだ。黒のコーデのPCは、4K解像度で144Hzのリフレッシュレートに対応する32インチゲーミングモニター「ROG SWIFT PG32UQX」などで構成されている
ROGのブース。奥に見えているのがイケアのブースだ。黒のコーデのPCは、4K解像度で144Hzのリフレッシュレートに対応する32インチゲーミングモニター「ROG SWIFT PG32UQX」などで構成されている
マザーボードに「Z490-GUNDAM (WI-FI)」、ケースに「ROG Strix Helios GUNDAM EDITION」と、コラボ商品ばかりを組み合わせて作られたガンダムコラボスペシャルなゲーミングPC
マザーボードに「Z490-GUNDAM (WI-FI)」、ケースに「ROG Strix Helios GUNDAM EDITION」と、コラボ商品ばかりを組み合わせて作られたガンダムコラボスペシャルなゲーミングPC
サイドパネルには古谷徹のサインが! よく見ると、CPUクーラーにガンダムのレリーフが入っていたりと細部まで気を配ったデザインになっている
サイドパネルには古谷徹のサインが! よく見ると、CPUクーラーにガンダムのレリーフが入っていたりと細部まで気を配ったデザインになっている
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