ロックバンド・ユニコーンが主題歌を担当したアニメ「鎮西八郎為朝」のミュージックビデオが2021年9月に開催された「第1回京都アニものづくりAWARD」の地方創生部門で銅賞を受賞した。アニメ制作のプロダクション・アイジー(東京都武蔵野市)とソニーミュージックグループのアニプレックス(東京・千代田)が協力して制作した。この作品を仕掛けたのは、人口9367人(21年8月1日時点)、面積12.8平方キロメートルと、佐賀県で2番目に小さい町・上峰町だ。

21年9月19日に開催された「第1回京都アニものづくりAWARD」の表彰式で、銅賞を受け取る武広勇平町長
2021年9月19日に開催された「第1回京都アニものづくりAWARD」の表彰式で、銅賞を受け取る武広勇平町長

 アニメ制作は地域ブランディングの一環。佐賀県上峰町には鎮西山という山がある。そこを拠点としていたといわれる武将「源為朝」のゆかりの地ということで、観光地化を目指し、博報堂、ソニー・ミュージックエンタテインメントがブランディングに関わる。

 上峰町は2019年2月に閉店したイオン上峰店跡地に、交流拠点となる中心市街地をつくり、街の活性化につなげる地域ブランディングを進める。“為朝ゆかりの地”としての観光PRも、一連のブランディングのなかで進められたものだ。京都アニものづくりAWARDでは、アニメコンテンツを活用して、お酒などの商品開発や、為朝をモチーフとして鎮西山の再発掘や観光資源化など歴史を顕在化したマーケティング活動についても評価されたという。

 上峰町は九州・山口ワーストワンの厳しい財政状況から徹底した歳出削減で財政健全化を果たした。とくに15年度からはふるさと納税などを活かして自主財源を増やしてきた。20年度のふるさと納税額は約44億円、「佐賀牛」や「さがびより」などの返礼品で全国でも上位をキープしている。こうした施策を進めてきたのは、09年に全国最年少の29歳で町長に就任してから現在まで町長を務める武広勇平氏。街づくりへの思いや財政立て直しについて話を聞くと、様々な施策の裏側には町長の経営感覚も垣間見える。そんな武広町長が、中心市街地づくりを今後どう進めるのか――上峰町の施策が地域ブランディングの参考になればと考え、プロジェクトを追いかけてみることにした。


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