
飛行機だけではなく、徒歩でも電車でも“マイル”がたまる米国発のアプリ「Miles(マイルズ)」が、2021年10月20日、日本でサービスを始めた。マイルと交換できる特典パートナーには、JALグループやJR東日本グループ、ファミリーマートなど、多彩な企業が参画。一方で、21年12月にはANAグループが競合アプリをリリースする予定。いち早くMilesのテスト版アプリを10日間使って分かったメリットとは?
「Miles(マイルズ)」は、スマートフォンのGPSや加速度センサーなどから収集した移動データに基づき、AI(人工知能)が移動手段を自動判別し、1マイル(約1.6キロメートル)の移動に対して1マイルの独自ポイントをためられるアプリだ。スマホの位置情報の取得を「常に許可」へ設定すると、アプリを随時起動しなくても勝手にマイルがたまっていく。これが、“最強のポイ活”アプリといわれるゆえんだ。
自動判別できるのは、「徒歩」「ランニング」「自転車」「バス」「電車」「船」「スキー」「自動車の相乗り」「自動車」「飛行機」の10項目。このうち、徒歩、ランニングはマイル付与が10倍、自転車は5倍、バス、電車、船、スキーは3倍、自動車の相乗りは2倍と、傾斜がつけられている。
ちなみに、自動車は1倍、飛行機は0.1倍。新幹線による移動は電車扱いで3倍のマイル付与となるから、東京―大阪間など飛行機との競合路線では新幹線のほうが30倍有利となる。海外旅行した際も、現地での移動手段が自動判別されたうえで通常通りマイルがたまる。マイルの有効期限は、今のところ無期限だ。
このように、Milesは通勤や通学、買い物、散歩といった何気ない日常の移動から、旅行などの「ハレの日」の移動まで、すべてが特典交換可能なマイルに自動で変わる。同時に環境に優しい移動に対してマイルを多く付与することで、ユーザーの行動変容を促す仕組みが画期的だ。
例えば、マイカーを使って1人で移動するよりも、Milesユーザー同士が相乗りすればマイル付与は2倍になる。それ以前に、晴れた日など必ずしもマイカーで行く必要がなければ、徒歩+電車で移動するといった選択もしやすくなる。
Miles Japan(東京・渋谷)の代表を務める髙橋正巳氏は、「アフターワクチン時代にただ外出を誘発するだけではなく、環境に優しい移動を促すとともに消費も活性化できる」と話す。では、ためたマイルはどんな特典に交換でき、特典を提供するパートナー企業にとってはどのようなメリットがあるのか。
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ためたマイルは何に交換できる?
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