
LINEは2021年5月、マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を活用し、Azureの開発パートナー4社とMaaS普及の共同プロジェクトを開始した。その一環で支援するのが、長野県千曲市の「温泉MaaS」の取り組みだ。LINE上で移動サービスと店舗の連携を実現し、ネットとリアルの融合を図る「小売りMaaS」も構想中。LINEはアフターワクチン時代の移動をどう描くのか。
コロナ禍下でテレワークが徐々に浸透し、休暇先で仕事をする「ワーケーション」も今や夢ではなくなった。しかし、実際に地方の観光地などでワーケーションをしようにも、そこには大きなハードルが立ちはだかる。
それは、現地での「移動問題」だ。東京や大阪などの大都市を基準とすれば、田舎は公共交通網が充実していないことが多く、思い通りに移動して観光も楽しむにはレンタカーを借りる必要があるケースもあるだろう。1日丸ごと観光に当てられるならいいものの、「仕事の合間にちょっと外出したい」というときに選択肢は多いほうがいい。
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そこで鍵を握るのが、MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)の考え方だ。温泉地として知られる長野県千曲市では、2021年2月から同市の地元企業ふろしきやが主導してワーケーション体験会を開き、参加者がLINE公式アカウントからタクシーなどを手配できる「温泉MaaS」に取り組んでいる。
支援するLINE広告・法人事業本部プラットフォーム事業開発室ビジネスデザインチームの福田真氏は、「LINEは8900万人(21年6月時点)のアクティブユーザーがいるのが強み。ワーケーションに訪れた参加者にとって、普段から使い慣れたアプリでMaaSを利用できるのはメリットになる」と話す。
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