
世界で急速に普及が進む電動キックスケーターは、密を避けながら自由に移動できるwithコロナのモビリティとして注目されている。そんな中、2021年10月中をめどに、米国発で電動キックスケーターのシェアリングサービス世界最大手「Bird(バード)」が、東京都立川市に上陸することが分かった。「アフターワクチン時代」の移動をどう変えるのか。
都市の新たな移動手段として脚光を浴びている電動キックスケーター。2017年後半に米国でシェアリングサービスが誕生すると、そのブームは瞬く間に世界中に拡大。最寄り駅やバス停から目的地までといった短距離移動、いわゆる「ラストワンマイル」の移動を担う新たなモビリティとして、世界各地で急速に普及が進んでいる。
そんな電動キックスケーターのシェアリングサービスで世界をリードしてきたのが、「Bird(バード)」を手がける米Bird Rides(バードライズ)だ。現在では世界28カ国の300都市以上でサービスを展開する最大手。そのバードが21年10月、いよいよ日本に上陸する見込みだ。まずは、東京都の立川駅周辺で実証実験を開始する。
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立川では、まず4カ所のポート、30台程度の小規模からスタート。利用状況を見ながらエリアを拡大し、早ければ22年3月には立川市全域まで広げる考えだ。また、実証実験中の利用価格は、1分10円に設定。正式サービスでは、海外のバードの水準に合わせて、車両のロック解除に100円、その後は1分15円程度になる予定だ。
電動キックスケーター導入で地域経済が潤う
「電動キックスケーターは『アフターワクチン時代』に、ますます重要な移動手段になる」と断言するのは、バードの国内展開を担うBRJ(東京・渋谷)代表取締役の宮内秀明氏。その根拠は、すでにサービス展開している海外での急速な成長にある。
例えば米国市場では、2010年ごろにシェアサイクルサービスが登場し、約10年をかけて着実に成長してきた。ところが、17年後半から18年にかけて電動キックスケーターが登場すると、わずか2年でシェアサイクルの市場を追い越してしまった事実がある。
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