
新型コロナウイルス禍の移動自粛ムードの中で、旅客数を大きく減らした航空各社。移動需要回復の一手として、本腰を入れているのが地上交通との連係を深めるMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の取り組みだ。そこには航空会社ならではの“勝ち筋”も見えてきた。全日本空輸(ANA)の戦略を追う。
コロナ禍は、特に“空の移動”へ大打撃を与えた。全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の国際線は、コロナ前と比べて乗客数が9割も減少し、国内線も度重なる緊急事態宣言の発令で減便体制が続いた。しかし、2021年10月1日からの“全面解除”で、明るい兆しも見えてきた。
そんな中、withコロナ、アフターコロナの成長戦略の1つとして、両社が本腰を入れているのが、MaaSだ。航空便を軸に、自宅から空港まで、空港から目的地までの交通手段をスマートフォンアプリ1つでスムーズに検索・予約・決済できるようにし、移動のストレスを限りなくゼロに近づける。また、MaaSアプリのデジタル接点と、強固なマイレージ会員組織を生かして、広告やクーポン配信などデジタルマーケティングによる新たな収益源の獲得も狙う。
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航空会社ならではのMaaSとは?
コロナ禍下で目立たないが、実はすでに具体化しつつあるのが、ANAのMaaSだ。いち早く同社は19年7月にMaaS推進部を設立、20年3月にはANAアプリやウェブサイトで「ANA空港アクセスナビ」サービスを始めている。
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