図形を使った作図はハードルが高そうに思えるが、コツをつかめば大丈夫。見やすい図にするポイントは、各パーツのサイズと位置を徹底的に揃えることだ(図1)。サイズや位置がバラバラだと、見るだけで疲れる図になってしまう。図形のサイズは、数値で簡単に揃えられる。また、ワードには、図形の位置をきれいに揃える配置機能も備わっている。ここでは流れ図の作成過程を例にして、具体的な操作を見ていこう。

※書籍『伝わるWord資料作成術』を再構成

 図形で独自のチャートを作るときは、完成形をイメージすることが大事だ。そのうえで必要なパーツを洗い出し、図形をどう組み合わせるかを考えよう。作例では、1つの手順を「四角形:上の2つの角を丸める」「四角形」「テキストボックス」の3つで構成する。なお、手順によって異なるアイコンは、後で挿入することにした。

 3つの図形は縦に並べるので、同じ幅に揃える(図2)。あとは図形を縦に並べて左右の中央で揃え、グループ化すればよい(図3)。この操作はすでに、囲み文字の作成で紹介した。作図の基本操作なので、しっかり覚えておこう。

 基本のパーツができたら、必要な数だけコピーする。オブジェクトは「Ctrl」+「D」キーで複製するのが簡単(図4)。作例では4つ複製し、各手順の文字列に書き換えた。グループ化をしていても、個々のオブジェクトは選択して編集できる。

 続いて、5つの基本パーツと間の三角形を等間隔に並べる。横に並べる場合は左端と右端の位置をきっちり決め、中間は大まか並べておく(図5)。全パーツは、まず「上下中央揃え」で上下の中央で揃え、さらに「左右に整列」で等間隔に並べる(図6)。位置が決まったら、そのまま全体をグループ化しよう。

サイズや位置を揃えると見やすい図になる
サイズや位置を揃えると見やすい図になる
図1 複数のパーツで図を作るときは、各パーツのサイズと位置を揃えると見やすくなる。サイズは数値で、位置は配置機能を使って手早く整えよう
3つの図形を組み合わせて1つのパーツにする
3つの図形を組み合わせて1つのパーツにする
図2 この例では、1つの手順を表示する基本パーツを3つの図形で作成する。図形は縦に並べるので、幅を揃えよう。数値は「図形の書式」タブの「図形の幅」欄で指定する(1)〜(3)
図3 3つの図形はまず、ドラッグで縦に隙間なく並べる(1)。続いて3つを同時に選択し、「左右中央揃え」にする(2)。そのままグループ化すれば基本パーツが出来上がる(3)
図3 3つの図形はまず、ドラッグで縦に隙間なく並べる(1)。続いて3つを同時に選択し、「左右中央揃え」にする(2)。そのままグループ化すれば基本パーツが出来上がる(3)
オブジェクトは「Ctrl」+「D」キーで複製できる
オブジェクトは「Ctrl」+「D」キーで複製できる
図4 図形などのオブジェクトは、「Ctrl」+「D」キーで簡単に複製できる(1)(2)。コピーして貼り付けるより簡単なので覚えておこう。ここでは4つ複製して、文字列をほかの手順のものに書き換える
左端と右端の位置を決めてパーツを大まかに並べる
左端と右端の位置を決めてパーツを大まかに並べる
図5 パーツを横に並べるときは、まず全体の左端と右端の位置を決め、中間のパーツは順番に従って大まかに配置する。ここでは5つの基本パーツと、その間に4つの三角形を配置した
上下中央に揃えて等間隔に並べる
上下中央に揃えて等間隔に並べる
図6 配置するパーツ(5つの基本パーツと4つの三角形)をすべて選択する(1)。「図形の書式」タブの「配置」メニューから「上下中央揃え」を選択(2)〜(4)。9つのパーツが上下の中央で揃う(5)。続けて「配置」メニューから「左右に整列」を選択(6)(7)。これでパーツが等間隔の横並びになる(8)。最後に全体をグループ化する(9)

【補足説明】白色のオブジェクトは図の装飾に便利

 図形を使うとパズル感覚で作図ができるので、いろいろな組み合わせを考えるのも楽しい。複数のパーツはきっちり揃えるのが基本だが、ときにはわざとバランスを崩してみるなど、遊び心をプラスするのも面白い。

 オブジェクトを白色にして重ねると、思わぬ効果が得られる場合もある。イベント案内のタイトル部分をビジュアル化する例では、太めの点線を長方形の端に重ねることで、凹凸の表現ができた(図7、図8)。なお、線の種類は「図形の書式」タブにある「図形の枠線」メニューの「実線/点線」サブメニューで指定する。

図7 長方形の上に各要素を配置して、イベント案内のタイトル部分をデザインする
図7 長方形の上に各要素を配置して、イベント案内のタイトル部分をデザインする
図8 点線を長方形の端に重ねて白色に変えると、長方形の端に凹凸ができる(1)(2)。文字やアイコンも白色にして重ねる(3)。一部の文字色を変えるのも効果的だ
図8 点線を長方形の端に重ねて白色に変えると、長方形の端に凹凸ができる(1)(2)。文字やアイコンも白色にして重ねる(3)。一部の文字色を変えるのも効果的だ
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