色の設定で頭に入れておきたいのは、モニター画面と印刷の色は違う、ということだ。実際、印刷した文書の色がイメージ通りではなく、がっかりすることはよくある。これは、色を表現する方法「カラーモード」が、モニターと印刷で異なるため(図1)。
※書籍『伝わるWord資料作成術』を再構成
カラーモードには、赤(R)、緑(G)、青(B)を混ぜ合わせる「RGB」と、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を混ぜ合わせる「CMYK」があり、モニターにはRGB、印刷にはCMYKが使われている。RGBとCMYKを比べると、CMYKのほうが色の表現領域が狭い。そのため、CMYKでモニターの色をそのまま再現するのは難しく、印刷物はどうしても少しくすんだ色になってしまう(図2)。また、印刷にはインクを使うので、理論上は表現可能な色が再現できない場合もある。
モニターと印刷の色をなるべく近づけるには、文書のカラーモードをCMYKに変換する方法がある。ただ、ワードの色はRGBで設定する仕様になっていて、CMYKには変換できない。文書内の色は、印刷でくすむのを見越して設定しよう。思い通りの色に印刷されないときは、明度や彩度を調整して、イメージに近づける手もある。
なお、印刷の色はプリンターの機種、用紙の種類、印刷品質の設定などにも左右される。使用するプリンターの性能やクセを把握しておくことも大切だ。