ネット×リアル融合「店舗DX」の真価 第5回(写真)

得意客を店にひき付けるスタンプ/ポイントカードの代わりに、最近ではスマホの専用アプリを使う店もある。それらアプリのダウンロードが不要で、より気軽に顧客と店舗をつなぐための「LINEミニアプリ」が広がっている。雑貨店「3COINS」ではLINEの友だちを10倍に増やすといった成果が見えてきた。

300円を中心としたの商品が並ぶ雑貨ショップ「3COINS(スリーコインズ)」
300円を中心とした商品が並ぶ雑貨ショップ「3COINS(スリーコインズ)」

 「5秒で簡単に登録できてポイントがたまります」。300円を中心とした商品が並ぶ雑貨ショップ「3COINS(スリーコインズ)」の店頭に、そんなキャッチコピーを付けた看板が立てられた。婦人服・雑貨販売を手掛けるパルグループホールディングス傘下のパル(大阪市)は2020年2月、全国約200店舗を展開する3COINSで、LINEミニアプリの提供を開始した。

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 LINEミニアプリは、LINEが推進するスーパーアプリ化に向けた施策の中核機能(関連記事:LINEやドコモが推進 マーケ激変、店に客呼ぶ「スーパーアプリ」)。ポイント付与、来店予約、ECへの誘導といった機能を持つLINE内で動作するアプリを構築できる。すでにLINEを利用しているユーザーは、スマホのアプリをApp Storeなどからダウンロードする必要がないため、使い始めまでのハードルが低いという特徴がある。

【特集】ネット×リアル融合「店舗DX」の真価

 パルは19年4月から、ポイント付与のほか顧客とのつながりを深めるコミュニケーション手段として、独自のスマホ用アプリ「PAL CLOSET(パルクローゼット)」を展開してきた。3COINSだけでなく、主力事業のアパレル店でも、このスマホ用アプリを導入している。課題は「対面接客をするアパレル店舗ではかなりアプリをダウンロードしてくれるが、コンビニのように商品をカゴに入れて買い物をするセルフ形式の3COINSでは伸び悩んだ」(パル執行役員プロモーション推進本部長の堀田覚氏)という点にあった。

案内しやすく店舗スタッフも助かる

 アパレル店では、店員が来店客に声をかけて、最近のトレンドやお薦めの商品などの会話をしながら、試着をしてもらい、レジに誘導する。さらに店員が商品を包装している間などに「ダウンロードしてもらえばポイントが付きますよ」といった形で案内をする。「接客を通して、店員とお客様の関係ができている。ブランドに対するロイヤルティーも高い傾向があり、ダウンロードしていただけるケースが多い」(堀田氏)

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