スターバックスの「挑戦」 第8回(写真)

新型コロナウイルス禍にもかかわらず、ドレスコードの改定や新オウンドメディアの展開など、なぜスターバックスは新たな挑戦を続けるのか。「変化が大きな時期だからこそ、目の前のことにリアクションすると同時に、どこに向かって進んでいくのかを決め、そこの方向に投資をしていくことはすごく重要」とスターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文CEOは語る。

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 本特集ではパートナー(従業員)のドレスコード改定や都道府県ごとに47通りのフラペチーノを販売した「47 JIMOTOフラペチーノ」、新オウンドメディア、宅配サービス、ティーブランド「ティバーナ」など、スターバックス コーヒー ジャパンがコロナ禍にありながら続けているさまざまな「挑戦」を紹介してきた。

 なぜこのタイミングで新たな挑戦を行うのか、そしてスターバックスが掲げる「社会的良心と経済的成長の両立」をいかにして目指すのか。スターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文CEO(最高経営責任者)に聞いた。

スターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文CEO(最高経営責任者)。1967年、東京都生まれ。上智大学卒業後、イタリアのボッコーニ大学にてMBAを取得。LVJグループ、ロエベ ジャパン カンパニーのプレジデント&CEOなどを経て、2014年スターバックス コーヒー ジャパンに入社し、COO(最高執行責任者)に就任。16年よりCEOとなる(撮影/的野弘路)
スターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文CEO(最高経営責任者)。1967年、東京都生まれ。上智大学卒業後、イタリアのボッコーニ大学にてMBAを取得。LVJグループ、ロエベ ジャパン カンパニーのプレジデント&CEOなどを経て、2014年スターバックス コーヒー ジャパンに入社し、COO(最高執行責任者)に就任。16年よりCEOとなる(撮影/的野弘路)

なぜコロナ禍でさまざまなことに「挑戦」したか

――コロナ禍の中であるにもかかわらず、ドレスコード改定や47 JIMOTO フラペチーノ、新オウンドメディア「スターバックス ストーリーズ ジャパン」の展開など、新たな挑戦に取り組んだ。

水口貴文CEO(以下、水口) これだけ変化が大きな時期だからこそ、目の前のことにリアクションすると同時に、どこに向かって進んでいくのかを決め、そこの方向に投資をしていくことはすごく重要。「未来への一歩を踏み出す」ことは意識していた。特に2021年は日本上陸25周年だったので、スターバックスが日本でどういう方向に行きたいかを働いている人々やお客様が「自分事」として感じられる施策にしたかった。

 47 JIMOTO フラペチーノは「地域」によりつながっていくという未来を描いていたし、ドレスコード改定は「多様性」を大切にする会社にしたいという大きな目標の象徴だし、再生可能エネルギーへの切り替えや値引きによるフードロスの解消は、「環境」にきちんと配慮した会社という我々の未来の姿。そこへの一歩をみんなが感じられるようなことをしようと思っていた。これらのおかげで、コロナ禍にありながら、次の方向に走り出せる位置には立てたかなと思う。

 人事制度も地域に根付くような形に改定し、21年10月から徐々にスタートしている。これまで地域限定型と全国型に分かれていたものを一本化。地域に根差した社員がキャリアを築けるようにすることで、地域との長期的なつながりも形成できる。

 実は店舗の営業を再開した後、「いつまでこういう状況が続くのか」という不安な雰囲気があったので、「10年ビジョン」をつくった。どこまで暗いトンネルが続くか分からないからこそ、我々が目指していきたい方向を示すことはとても大切。そこで、10年後に自分たちがこうなっていたいという姿を描いた。これが目の前のことに取り組むエネルギーになると考えた。

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