
2021年に日本上陸25周年を迎えたスターバックス。コロナ禍で飲食店が休業や営業時間の変更を強いられる中、都道府県ごとに47通りのフラペチーノを提供する「47 JIMOTO フラペチーノ」やオウンドメディア「スターバックス ストーリーズ ジャパン」 の立ち上げ、パートナー(従業員)のドレスコード改定など、さまざまな挑戦を続けている。その挑戦の数々からスターバックスの圧倒的ブランド力の本質をひもとく。
【第2回】 スタバが従業員の金髪や帽子をOKに やって分かった意外な効果
20年4月、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う1回目の緊急事態宣言を受け、スターバックス コーヒー ジャパンは約850店舗の休業を発表。その後さらに拡大し、全国約1600店舗の8割にあたる約1200店舗を休業にした。
カフェは休業要請の対象ではなかった。それにもかかわらず、全国で約4万人いるパートナー(従業員)の雇用を保障しながら、緊急事態宣言がどのくらい続くか分からない状況の中で店舗の大半を自主的に閉めたのだ。休業に伴う売り上げの減少によって、成長を続けてきたスターバックスは01年に上場後、03年3月期以来の最終赤字となった。
「悩みに悩んで、休業を決める日はずっと店舗を回っていた。パートナーたちに今の状況をどう思っているか聞いてみると、半分くらいが『働くのが不安』、もう半分が『働けて助かっています』という反応で、本当に判断が難しかった。最終的にはパートナーとお客様の安心安全が一番大事だと考えて決断した」と、スターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文CEO(最高経営責任者)は振り返る。
休業せず、テークアウトだけで営業する選択肢もあった。ただ、あの状況の中で、パートナーの安心安全確保と感染抑制への協力こそ自分たちがまずすべきことだと、防疫対策ができるまでは休業することにしたという。
「当時、社内向けには『会社は今こういうことを議論していて、こういう準備しています』という情報を毎週のようにレターやメール、オンライン会議などを使ってアップデートしていた」(水口CEO)
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