2021年9月3日発売の「日経トレンディ2021年10月号」では、「新興小売りチェーン」を特集。消費者のニーズを先取りした全く新しい商品も取りそろえるイオンの「トップバリュ」。手間なく調理できるキューブ型の冷凍魚「パパっとできるお魚おかず」や、全身丸ごと疲労回復できるとうたう「セリアント ウェア」など、今後ブレイクしそうな9商品を紹介する。
※日経トレンディ2021年10月号の記事を再構成
イオンの「トップバリュ」は2000年にできたブランド。総商品数が3800以上ある。主力の食品・日用品に加えて、衣料やインテリア・キッチン用品、家電など幅広いジャンルに展開されている。他社のPBに比べて商品の種類が圧倒的に多く、消費者のニーズを先取りした全く新しい商品が誕生することも多い。
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その成功例が、21年5月に発売した、魚の骨を取り除いたキューブ状の冷凍食品素材「パパっとできるお魚おかず」だ。魚の半身を圧力をかけて押し固めたうえで、15グラムずつを碁盤の目のようにカットして片栗粉をまぶしてある。1袋に12個が入っており、サーモンやアジなど5種類を販売する。
特徴は調理が簡単なこと。そのままフライパンで加熱でき、パスタやマリネ、煮物など様々な料理に使える。魚を積極的に食べたいのに、下処理が面倒で敬遠していた人でも、簡単に食卓に取り入れられる。骨が無いため、子供から高齢者まで食べやすい。既に計画比1.5倍と好調な売れ行きで、今後さらに伸びそうだ。
ブレイク予測1 手間無く調理できるキューブ型冷凍魚
パパっとできるお魚おかず
骨を除去した魚の肉をキューブ状に加工した画期的な素材系食品。サーモン、アジ、サバ、タラ、ブリの5種類。魚料理にありがちな骨や皮などの生臭いゴミが一切出ない。実勢価格各386円(税込み、以下同)。
高コスパの肉も狙い目
肉についても、コスパが抜群にいい掘り出し物がある。オーストラリア南東のタスマニア島の自社直営牧場で飼養した牛の肉「タスマニアビーフ」だ。ブラック・アンガス種の牛で、脂肪が少なくさっぱりとした味の赤身肉が特徴。同社が飼養を始めたのは1974年で、餌は麦を主体にジャガイモも与えて肉質を良くしているという。2015年に本格的に部位別の販売を開始した。既にイオンを代表する食材ではあるが、18年末のTPP11発効による関税低減によって、さらに高コスパになった。
ぜひ試してほしいのが、希少部位だ。例えば牛1頭から僅かしか取れず、究極の赤身といわれるヒレの中心部「シャトーブリアン」は、100グラム1058円と、他のブランド牛の5分の1から10分の1程度の価格で買える。シンプルに焼いて試食してみたところ、通常のヒレ肉より脂っぽさが少なく、他の部位より軟らかいと感じた。他にも、もも肉の一部である「ランプ」(100グラム429円)や「とも三角」(100グラム429円)といった、ステーキハウスや焼肉店のメニューでしか見ないような希少部位も難なく買える。すべての部位を買って食べ比べても、それほど高額にはならないのが魅力だ。
ブレイク予測2 お買い得タスマニアビーフの希少部位
タスマニアビーフ
タスマニアの自社直営牧場で大規模に飼養し、全国のイオンの専用コーナーで販売。1頭丸ごと様々な部位を余すところなく商品化する。シャトーブリアンなど希少部位も安く買える。
【記者がTRY】赤身肉のうまみと軟らかさを堪能
シャトーブリアンは焼き時間が短くレアに。肉質がとても軟らかく、赤身肉のうまみが口中に広がった。ランプはしっかりしたかみ応えでジューシーだった。
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