2月のランキングトップは「ブランディングの誤解」をズバリ解説した記事でした。マーケティングの本質を明らかにした骨太な総論で、有料読者数が過去最高を記録しました。もう一つ話題になったのが、「40~50代で『スマホ左手持ち』が多いワケ 若者は右手持ちが主流」。左手持ちの自分にショックを受ける中高年の方がSNS上に続出。日本と海外の違いを詳述したデータも話題になりました。

 Z世代関連記事が中心だった1月とは一転して、2月は骨太な特集記事が数多くランクインしました。1位の記事は「ブランディングの誤解」という、マーケティングの本質に迫るテーマ。同じ特集内から、3位、4位、8位にも入りました。

■「ブランディング」の誤解
【1位】ローソンPB騒動、高級食パンの盛衰に学ぶ「ブランディングの誤解」
【3位】見抜かれた不自然な広告 ニューバランスが見つけた本当の便益
【4位】ブランドの差別化は「競合との比較」にあらず 独自化こそが必要
【8位】水曜日のネコ、正気のサタン 奇抜な商品名に緻密なブランド戦略

 特に1位の記事は、閲読していただいた有料読者の数が過去最高値を記録。「ブランドとは本来は顧客が商品を識別するための記号のようなもの。本来的には『ブランディング』は売り上げを上げたり、顧客を増やしたりする手段とは定義されていない。だが、先進的な印象を与える広告をつくったり、商品のデザインを現代風に刷新したりすれば業績が伸びるという誤解が広がっている」。Strategy Partners(東京・港)代表取締役の西口一希さんが、ブランディングのよくある誤解についてズバリ解説してくださいました。多くのマーケターの方が本質に立ち返るきっかけになったようです。

ブランディング施策の成否は、ロイヤル顧客と一般顧客が離反する「失敗ルート」の増減リスクを、短期と中長期で評価することを西口さんは推奨する(『顧客起点の経営』<日経BP>から)
ブランディング施策の成否は、ロイヤル顧客と一般顧客が離反する「失敗ルート」の増減リスクを、短期と中長期で評価することを西口さんは推奨する(『顧客起点の経営』<日経BP>から)
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 もう一つ非常に人気だった特集が、「リアルを変えるデジタルCX(顧客体験)」。総論記事(16位)の他、企業事例の記事が幅広くランクインしました。

■リアルを変える「デジタルCX(顧客体験)」
【5位】超斬新「靴」サブスク 100%リサイクルの無限ループが顧客を魅了
【6位】「スタバらしさ」をデジタルでどう実現? 会員プログラム刷新のワケ
【12位】丸亀製麺、CX企業ランキング1位の必然 感動体験の設計図を初公開
【16位】「顧客体験」高めるCXの3要素 見えざる重要顧客「SBEV」の正体
【18位】リアルよりすごい遠隔接客 無人モデルハウスで住宅の成約率2倍
【20位】ノース・フェイス「まるでリアル」のWeb接客 CX向上2つのカギ

 スターバックス、丸亀製麺、ノース・フェイスなど“CX巧者”というべき名だたる企業の他にも、人気だったのが5位の「On(オン)」と18位の「Casa robotics(カーザロボティクス)」を取り上げた記事です。特に、スイスのブランドであるOnのビジネスモデルは、靴を100%リサイクルして半年ごとに“新品”を提供する、という前代未聞の仕組み。サブスクを展開している企業を中心に、参考にしていただけたのではないでしょうか。

23年2月人気記事ランキング
【1位】ローソンPB騒動、高級食パンの盛衰に学ぶ「ブランディングの誤解」
【2位】40~50代で「スマホ左手持ち」が多いワケ 若者は右手持ちが主流
【3位】見抜かれた不自然な広告 ニューバランスが見つけた本当の便益
【4位】ブランドの差別化は「競合との比較」にあらず 独自化こそが必要
【5位】超斬新「靴」サブスク 100%リサイクルの無限ループが顧客を魅了
【6位】「スタバらしさ」をデジタルでどう実現? 会員プログラム刷新のワケ
【7位】ChatGPTはマーケティングに使えるか? 7つの変化と3つのリスク
【8位】水曜日のネコ、正気のサタン 奇抜な商品名に緻密なブランド戦略
【9位】「自宅で炭酸水を作る」便益は? 元P&Gマーケターが示した2つの解
【10位】24歳マーケター、TikTokでヒット連発 Z世代を引き付ける4カ条
【11位】ナイキの顧客体験はなぜすごい デジタル戦略の要は「D2C」にあり
【12位】丸亀製麺、CX企業ランキング1位の必然 感動体験の設計図を初公開
【13位】ティファニーがナイキと戦略的コラボでZ世代を開拓 LVMHの深謀
【14位】ビームス“1通入魂”メルマガのつくり方 セオリー度外視のワケ
【15位】名古屋の老舗“下請け”手帳メーカー躍進 10万部ヒットの企画術
【16位】「顧客体験」高めるCXの3要素 見えざる重要顧客「SBEV」の正体
【17位】JR東日本が定期に導入 ダイナミックプライシング、いよいよ拡大
【18位】リアルよりすごい遠隔接客 無人モデルハウスで住宅の成約率2倍
【19位】P&G伝説マーケター、ジム・ステンゲルが警鐘 パーパス3つの誤解
【20位】ノース・フェイス「まるでリアル」のWeb接客 CX向上2つのカギ
注)2月1日~28日公開の記事のうち、有料会員の訪問者数(ユニークユーザー、UU)が多かった上位20本。この期間の全体の本数は217本

 最後に、有料記事以外で、非常に多くの方に読まれた1本をご紹介します。

【2位】40~50代で「スマホ左手持ち」が多いワケ 若者は右手持ちが主流

 とにかくこの記事はバズリました。自分がどっちの手でスマホを持つのか、どっちの手で操作するのかを言いたくなる人が続出。この記事とともに拡散していただけました。特に日本人の場合は、年齢が高い世代に左手持ちの傾向があり、自虐的なコメントもちらほら。かく言う私もガッツリ左手持ちで左手親指操作。人に言いたくなる気持ち、よく分かります!