9月の1位は、2カ月連続で西口一希さんによる連載「西口さんに聞いてみよう!」でした。特集では「マーケの危機 今、再考すべきこと」から実に7本がランクイン。「マーケティングに携わるすべての方にお読みいただきたい」という、日経クロストレンドのメッセージを込めた特集でした。

 9月1位の記事は、2カ月連続で新連載「西口さんに聞いてみよう!」の記事(P&Gでの失敗で気付いたブランディングの誤解 顧客は便益で買う)でした。先月は「マーケティング4P」についての提言でしたが、今月は「ブランディング」について。西口さん自らがP&G時代に失敗した経験談を踏まえて、ブランディングにまつわる誤解をひもといています。

22年9月人気記事ランキング
【1位】P&Gでの失敗で気付いたブランディングの誤解 顧客は便益で買う
【2位】受賞者はこの5人! 「マーケター・オブ・ザ・イヤー2022」発表
【3位】榮太樓總本鋪に届いたクレーム 全パッケージを変更した心意気
【4位】マーケターは軍事用語をいつまで使うのか? 顧客は標的ではない
【5位】「ヤクルト1000」爆売れの秘密 高密度販促とヤクルトレディ
【6位】新旧“40代おじさん”比較第2弾 20年間で仕事愛が激変!?
【7位】CMO足立氏の大変革 「新商品がないと売れない」はマーケ部の怠慢
【8位】対談「なぜマーケティングは嫌われるのか」 顧客は“人”なんだ
【9位】本当に倍速視聴するの? Z世代「タイパ」の実態とその真の理由
【10位】「おとり広告」に喝 スシロー親会社社外取締役、元ネスレ高岡氏
【11位】「ファミマ3000店で番組放送」の威力 客も広告主も喜ぶカラクリ
【12位】キリンビバ、スシロー、吉野家… 矜持はどこに?マーケ炎上事件簿
【13位】「NPS」は市場シェアと無関係? 54ブランド調査で判明した事実
【14位】Z世代は本当に魅力的な市場か? 解像度を上げる「3層」区分法
【15位】著作権が切れるミッキー、怖すぎるプー
【16位】「うざいリタゲ広告」撲滅 LINEMOの技あり広告で契約獲得8倍
【17位】年代、男女別スマホゲームランキング大公開 10代女性1位は音ゲー
【18位】逆風下の口紅で“怪物ヒット” 花王とカネボウの融合が生んだ
【19位】「メタバース」という言葉は、米アップルの拒絶で歴史の片隅へ
【20位】ありがとうと言われる広告のつくり方 北欧、暮らしの道具店直伝
注)9月1日~30日公開の記事のうち、有料会員の訪問者数(ユニークユーザー、UU)が多かった上位20本。この期間の全体の本数は322本

 有料読者UU(ユニークユーザー数)は計測開始以来、日経クロストレンドで過去最高値。有料CV数(有料会員にお申し込みいただいた数)もダントツの1位を記録しました。ブランディングのもっとも根本的な部分を知りたい、という読者の方の声を反映する結果となりました。

 特集でもヒット作が生まれました。「マーケの危機」と題した緊急特集から、実に7本がランクイン。本特集は記事数自体が14本と多くはあったのですが、1本の特集からこれだけの数がランクインしたのも初めてです。非常に多くの方にお読みいただけました。

■「マーケの危機」今、再考すべきこと
【3位】榮太樓總本鋪に届いたクレーム 全パッケージを変更した心意気
【4位】マーケターは軍事用語をいつまで使うのか? 顧客は標的ではない
【8位】対談「なぜマーケティングは嫌われるのか」 顧客は“人”なんだ
【10位】「おとり広告」に喝 スシロー親会社社外取締役、元ネスレ高岡氏
【12位】キリンビバ、スシロー、吉野家… 矜持はどこに?マーケ炎上事件簿
【16位】「うざいリタゲ広告」撲滅 LINEMOの技あり広告で契約獲得8倍
【20位】ありがとうと言われる広告のつくり方 北欧、暮らしの道具店直伝

 2022年、マーケティングにまつわる多くの不祥事が報道されました。TikTokのステルスマーケティング問題、吉野家の元常務による舌禍問題、スシローの「おとり広告」、悪質な調査会社による「NO.1広告」、キリンビバレッジの景表法違反……。ただこれらは、今に始まった話ではありません。

マーケティングの信用にかかわる事件、トラブルが相次いでいる(写真/Shutterstock)
マーケティングの信用にかかわる事件、トラブルが相次いでいる(写真/Shutterstock)

 これらの不祥事に通底するものは、「顧客軽視」です。もちろんどの企業もマーケターも、「お客様と真っすぐに向き合っている」と思っているはず。でも、どこかに油断があり、顧客を「人」ではなく「数」で見てしまい、無意識のうちに「囲い込み」「刈り取り」といった不穏当な言葉を使ってしまう。その延長線上に、“炎上”があるのだと思います。

 我々も一度立ち止まり、改めて「マーケティングは何のためにあるのか」を考える機会にしたい。本特集は、日経クロストレンドからのメッセージのつもりでもありました。ですから、非常に多くの方にお読みいただけたことは、これまでとはまた一味違ったうれしさがありました。

西口さんの「同期」、足立CMOの記事もランクイン

 次に人気だったのは、毎年恒例の「マーケター・オブ・ザ・イヤー2022」と、1社特集の「ファミリーマートの店舗集客大作戦」でした。

■マーケター・オブ・ザ・イヤー2022
【2位】受賞者はこの5人! 「マーケター・オブ・ザ・イヤー2022」発表
【5位】「ヤクルト1000」爆売れの秘密 高密度販促とヤクルトレディ
【18位】逆風下の口紅で“怪物ヒット” 花王とカネボウの融合が生んだ

■ファミリーマートの店舗集客大作戦
【7位】CMO足立氏の大変革 「新商品がないと売れない」はマーケ部の怠慢
【11位】「ファミマ3000店で番組放送」の威力 客も広告主も喜ぶカラクリ

 マーケター・オブ・ザ・イヤーは創刊以来続く、今年5年目を迎えるアワードです。今年の大賞は皆さまご存じの、「ヤクルト1000」のマーケターでした。なぜここまでの爆発的なヒットに導けたのか、その秘密をご紹介しています。

 ファミマ特集で人気だったのは、CMO足立光さんのインタビュー記事でした。「新製品がないと売れない」はマーケ部の怠慢ーー。この言葉を聞いたら、もう見出しに取るしかないですよね。ドキッとした読者の方、多かったのではないでしょうか。ちなみに足立さんは、冒頭でご紹介した西口さんのP&G時代の同期。多士済々のマーケターを輩出したP&Gのすごみも、お分かりいただけると思います。

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