11月のランキングで金銀銅を独占したのは、「日経トレンディ」12月号の年末恒例特集でした。特集では「カスタマーサクセス」と「メタバース」から多くの記事がランクイン。失敗から学びを得た英会話サブスクの記事が人気でした。

11月のランキングは非常にシンプルです。まずは「日経トレンディ」の記事が上位3本。次が特集「カスタマーサクセスの誤解」の記事。その後は「メタバース」「Z世代」などの人気テーマが続きました。
1位から3位は、日経トレンディ12月号の年末恒例の特集「2022年ヒット予測ランキング」「2021年ヒット商品ランキング」です。22年にヒットすると予測した1位は、日経クロストレンドでも何度か取り上げている「Miles」。10月20日に日本でのサービス開始後、1カ月足らずでダウンロード数が100万を超えるなど、ロケットスタートを見せています。年内にはもう一つの1位「ANA Pocket」のローンチも控えます。ヒット的中となるのか、ぜひご注目ください。
【2位】2021年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30
【3位】22年ヒット予測1位は「Miles」「ANA Pocket」 移動で稼ぐ時代へ
【4位】驚異の継続率90%超 英会話サブスク「やめさせない」5つの秘策
【5位】21年地方発ヒット20選 大賞は数カ月待ちの“食べるバター”
【6位】メタバースは普及しない? 3つの疑問から探るビジネスの勝ち筋
【7位】Z世代の新・ブランド観 カギは「記号消費」ではなく「暗号消費」
【8位】Z世代「テレビ離れ」はウソ? ドラマはリアルタイム視聴が4割
【9位】犬派と猫派を49項目で徹底分析! 性格、価値観、消費行動に大差
【10位】パナソニックの家電×食サブスク 計画比3倍、絶好調のワケ
【11位】無印良品の冷凍食品が絶好調 売り上げランキング1位はあの商品
【12位】ビームスが挑むメタバース・コマース 意外と売れた、2つの発見
【13位】そごう・西武も開始 SNSよりファン・コミュニティー・サイトの理由
【14位】花王のカスタマーサクセス部を大解剖 成功を導く3つの推進室
【15位】カスタマーサクセス4つの誤解 花王ら先達に学ぶ失敗しない秘訣
【16位】カスタマーサクセス職を採用断念のワケ BtoBとBtoCに2つの違い
【17位】「IoT家電」が巻き起こすフードテック革命 シャープは400万台突破
【18位】22年に伸びる新ビジネスは? VCが推す注目スタートアップ9社
【18位】日本でPinterestが勢力拡大 検索の“伏兵”が広告事業を本格化
【20位】P&G流マーケはB2Bでも通用するのか? カギはジャーニーの長さ
「お客様は絶対」という呪縛
4位に入ったのが、「カスタマーサクセスの誤解」特集の第3回だった英会話サブスクの記事です。この記事で興味深かったのは、この会社(ハグカム)が「お客様は絶対」という呪縛に陥らなかったことです。
カスタマーサクセスの極意はいくつかありますが、そのうちの一つが「カスタマーサクセス=御用聞きではない」ということ。サブスクのように継続的な関係になると、顧客の声を反映しなければという思いは強まります。特に日本企業にはその傾向が強いのではないでしょうか。
ハグカムも、顧客の強い要望を受け、サービスをテスト的に変更した過去がありました。ところが、子供のモチベーションはかえって下がってしまったそうです。「あまりにも保護者の要望に沿いすぎるのもよくないと学んだ」と社長も述懐します。直す部分は直す柔軟性と、サービスの根幹を守る強い意思。この両輪のバランスが重要といえそうです。
カスタマーサクセス特集の記事は、14位、15位、16位にも入りました。特に15位の記事「カスタマーサクセス4つの誤解 花王ら先達に学ぶ失敗しない秘訣」では、総論として陥りやすい「4つの誤解」について詳しく分析しています。この記事から順にお読みいただければ、カスタマーサクセスを体系的に身につけていただけるはずです。
「メタバース」特集も人気でした。4本のミニ特集という形でしたが、そのうちの2本が6位と12位に入りました。特にお読みいただきたいのは6位の記事「メタバースは普及しない? 3つの疑問から探るビジネスの勝ち筋」です。私もこの記事を読むまでは、「セカンドライフの二の舞いになるのでは?」と思っていましたが、考えを改めました。
フェイスブックが社名をメタに変えて退路を断ちました。一般企業のビジネスの勝ち筋はどこにあるのか? メタバースの基本とビジネスの実践を学べるミニ特集になっておりますので、ぜひお読みください!