10月は独自調査「トレンドマップ」の記事が1位。NFTの躍進が際立ちました。特集では、「スターバックス」と「MaaS」から多くの記事がランクイン。ポケモンGOを運営するナイアンティックのCEOが発した「刺激的な発言」も注目を集めました。

10月、多くの特集を差し置いてランキング1位になったのは、日経クロストレンドの独自調査「トレンドマップ」の解説記事でした。関連記事も10位にランクインして、多くの方にお読みいただけました。
年に2回、80個以上のトレンドキーワードについて、「経済インパクト」と「将来性」を5段階で尋ね、1~5点でスコアリングしたもの。技術、マーケティング、消費の3部門で行います。
今回の調査で最大のトピックは、「トークンエコノミー」の急上昇です。これだけ聞いても「?」ですが、「非代替性トークン」と言えばピンとくるかもしれません。英語の頭文字を取ると「NFT」。クロトレでも先日特集を組みましたが、技術面でも非常に将来性を期待されているキーワードということが改めて分かりました。
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2本目以降の記事が「最上位」に
少しマニアックですが、今月のランキングで特徴的だったことがあります。特集は、月曜日に出す1本目を一番お読みいただくことがほとんどなのですが、2本目以降の記事が上位になった特集が2つもありました。「スターバックスの『挑戦』」と「MaaS2021:アフターワクチンの移動革命」です。
スターバックス特集は1本目の記事が9位。最上位だったのは3位の「スタバが従業員の金髪や帽子をOKに やって分かった意外な効果」で、特集2本目の記事でした。スタバが8月2日に全国の店舗パートナー(従業員)のドレスコードを改定した、という内容で、変更するのは実は上陸後の25年間で初めてのこと。スタバの決断はパートナーのモチベーションアップにもつながっているようです。
恥ずかしながら、私はスタバが金髪やデニムを禁じていたこと自体を知りませんでした。この記事をご好評いただいたのは、ダイバーシティが重視される中、ドレスコード解禁という旬なテーマが支持を集めたからと解釈しています。
MaaS特集は1本目の記事が15位、最上位は11位の「『メタバースは悪夢』 ポケモンGOは現実世界に全集中、移動促す」でした。
「メタバースは悪夢」。刺激的な言葉に引かれて読んでいただいた方も多いと思いますが、私もこの言葉にハッとさせられた1人でした。IT系の先進企業はこぞってバーチャルの“新天地”に向かおうとするのかと思いきや、快く思わない企業もあるんですね。開発する米ナイアンティックがやろうとしているのは、「人々をソファから引き剥がし、外で歩くことで周囲の人や世界とつながる」のを促すこと。メタバースはその対極で、ディストピアそのものというわけです。
ナイアンティックが見据えるのは、VRではなくAR(拡張現実)。リアルの世界が前提で、そこにバーチャルを重ねるというものです。VRとAR、一緒くたに語ってしまいがちな概念ですが、実は対極の性質を兼ね備えている、そんなことも思い知らされる記事でした。
月曜に出す1本目は特集の「顔」。総論的な役割も果たすため、一番力を入れる記事でもあります。それ以外の記事の方をよくお読みいただいたというのは、多面的に特集に興味を持っていただいてうれしい半面、編集長としては組み立てで読み誤った部分があるのは否定できません。さらに精進したいと思います!