2021年9月3日発売の「日経トレンディ2021年10月号」では、新興小売りチェーンを特集している。ワークマンでビジネス系のジャケットが好調だ。目玉といえるのが「Wind Coreヒータースーツジャケット」。バッテリー式の電熱ヒーターをスーツの中に備え、体を温める。服以外では、「ジョイントバックパック ハイカーズエディション」がアウトドア用として人気を集めそうだ。

※日経トレンディ2021年10月号の記事を再構成

「ジョイントバックパック ハイカーズエディション」(左)と「Wind Coreヒータースーツジャケット」(右)
「ジョイントバックパック ハイカーズエディション」(左)と「Wind Coreヒータースーツジャケット」(右)

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 ワークマンから世界初をうたう商品が発売される。ビジネス系の商品が好調でアイテムの拡充が進む中、目玉といえる「Wind Coreヒータースーツジャケット」(税込み4900円、以下同)だ。

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 何とバッテリー式の電熱ヒーターをスーツの中に備え、首元と腰の2カ所から体を温める。電熱ヒーターを通して熱を体に伝える「Wind Core ヒーターベスト」の仕組みをスーツに取り込んだ格好だ。同商品は2019年に発売され、「着るコタツ」として大きな話題を呼んだものだ。製品開発部CDO(チーフデザインオフィサー)の中野登仁氏は、「『スーツ見え』することを意識して、外側に付けている電熱系のスイッチをあえて内側にするなど、構造を工夫した」と言う。熱の温度は調節可能。ハーフバッテリーだと約3時間の充電で、最大出力の8ボルトでは約4時間半連続で稼働する。

ヒット予測1 ジャケット

“世界初”のヒータージャケット衣類が背後から直接体を温める
Wind Coreヒータースーツジャケット

世界初というスーツ型ヒータージャケット。袖口の調節ボタンを閉じ、冷気の侵入も防げる。ストレッチ性やはっ水加工も備え、屋外でもシーンを選ばず使える
世界初というスーツ型ヒータージャケット。袖口の調節ボタンを閉じ、冷気の侵入も防げる。ストレッチ性やはっ水加工も備え、屋外でもシーンを選ばず使える
服の中に電熱ヒーターがある
服の中に電熱ヒーターがある
2カ所に電熱シートがある。中野氏は、「裏に電熱線を入れるとしわが出たり、型崩れのもとになったりするが、構造を工夫した」と言う
バッテリーはハーフサイズがベター
バッテリーはハーフサイズがベター
バッテリーは別売り。ハーフサイズのバッテリー(4900円)の方が重みでシルエットが偏らない

 実際、極寒の中で耐えられるほど温かいのか。試すために、恒温恒湿室でマイナス10度の環境下をつくり、ヒータースーツジャケットを着てみた。事前に電源を入れ、着用してから恒温恒湿室に5分間入り、入る前と後の温度をサーモグラフィーで測った。すると腕回りなど熱源の無い部分は下がったが、背中回りはほぼ一定の温度に保たれることが分かった。

 デザインについては、メンズファッションに詳しい池田保行氏が、「価格の割にはよくできているが、ポケットの縫い方など細かい作りには粗さが見られる部分もある」とやや辛口だった。

 葬儀関係者など、仕事の関係で冬場でもコートを着込めないシーンがあるという人も少なくない。作業着としても使える秋冬向けのワークジャケット「SOLOTEX使用リバーシブルジャケット」(2900円)とは別のニーズを取り込み、ワークマンをビジネスシーンで利用する人の裾野が広がりそうだ。

【検証結果】マイナス10度の環境下でも肩回りは温かく保つ

マイナス10度の恒温恒湿室に5分間入った際のサーモグラフィーの画像。肩回りは高い温度が保たれた
マイナス10度の恒温恒湿室に5分間入った際のサーモグラフィーの画像。肩回りは高い温度が保たれた
池田氏は、「上襟が平面的なので首筋にフィットしづらく襟が抜けて見えたり、着丈が長めでシルエットがややダボついて見えたりする点は残念」と指摘
池田氏は、「上襟が平面的なので首筋にフィットしづらく襟が抜けて見えたり、着丈が長めでシルエットがややダボついて見えたりする点は残念」と指摘

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