2021年春、横浜市のJR港南台駅前にある商業施設「港南台バーズ」に、無印良品の新店舗がオープンした。地下1階にはスーパーマーケットなど食材を扱うエリアが広がり、大きなキッチンカウンターでは毎日、販売する食材を使った調理のデモンストレーションを実施。食を中心に、“第二創業”を掲げる中期経営計画でも明示された、地域の活性化や課題解決に取り組む新タイプの無印良品だ。

地下1階のキッチンカウンターで、毎日2回、調理のデモンストレーションを実施。その様子をInstagramでライブ配信している
地下1階のキッチンカウンターで、毎日2回、調理のデモンストレーションを実施。その様子をInstagramでライブ配信している

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 「無印良品 港南台バーズ(以下、港南台バーズ店)」は、2021年4月に生活雑貨や衣料品などを扱う1階のフロアを、5月に食品を扱う地下1階のフロアをオープンした。2フロアで合計約5000平方メートルの店舗は、関東地方の無印良品で最大となる。その広さを生かし、無印良品の商品をほぼフルラインアップで取りそろえる。

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1階は生活雑貨や衣料品。地下1階はクイーンズ伊勢丹や中島水産と協業して食品を本格的に扱う

 港南台バーズ店の大きな特徴が、関東地方初となる「“食”の大型専門売り場」にある。地下1階には、スーパーマーケットを中心に食品売り場が広がっており、スーパーマーケットのクイーンズ伊勢丹と、築地に本社を置き鮮魚を扱う中島水産(東京・中央)との協業フロアになっている。

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食品とミックスした売り場づくりが強み

 港南台バーズ店では、2社との協業によって食材を本格的に扱うことに成功。無印良品だけでは難しかった売り場づくりを実現している。例えば、節分や父の日、土用の丑(うし)の日といった季節ごとの行事などに合わせて、食品と生活雑貨をミックスした販促が可能になった。

 21年6月には、梅の収穫時期に合わせて梅酒づくりをテーマに特別コーナーを設けた。梅を漬ける無印良品のガラスの容器と共に、神奈川県や和歌山県などのさまざまな産地の梅、氷砂糖といった食材を並べて販売した。この期間、果実酒用のガラスの容器は、全国の無印良品の店舗の中で港南台バーズ店で最も数が売れたという。ほかにも、無印良品の人気商品として知られるレトルトカレーと、クイーンズ伊勢丹で販売するレトルトカレーを一緒に販売する「夏のカレー祭り。」も人気だった。

21年6月に設けた、ガラス容器と梅などの食材を並べて販売する特別コーナー(画像提供/良品計画)
21年6月に設けた、ガラス容器と梅などの食材を並べて販売する特別コーナー(画像提供/良品計画)

 無印良品が本格的に食分野を強化した例として、18年3月オープンの「無印良品 イオンモール堺北花田」(大阪府堺市)、19年11月オープンの「無印良品 京都山科」(京都市)の2店舗がある。3店舗目となる港南台バーズ店は、無印良品の食への取り組みをさらに発展させる役割を担っている。

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