
本特集ではリアルタイムマーケティングの手段として、ビーコン(近距離無線通信端末)広告や地図広告を紹介してきた。4回目ではそれらに加え、位置情報連動型広告、SNS広告などを紹介する。一言でリアルタイムマーケティングといっても、広告商品によって配信する範囲や活用目的が異なる。それらを既存のマーケティングと組み合わせて、有効活用することでより効果を高められる。正しく使うために7つの手法を図解した。
まず改めて、本特集における「リアルタイムマーケティング」の定義を説明したい。リアルタイムマーケティングとは、消費者のリアルタイムな行動や思考の変化をデータで可視化し、マーケティングのアクションにつなげる手法を指す。
ところが、この説明では、デジタルマーケティングのすべてがリアルタイムマーケティングに当てはまるようにも思えないだろうか。特定の商品ページの訪問履歴を基に、該当商品を広告に表示して再訴求する追跡型の広告「ダイナミックリターゲティング広告」も、リアルタイムな行動を基にした広告手法といえる。
【第2回】 LINEやJR東がビーコン広告に挑む 「今ここにいる人」にリーチ
【第3回】 顧客の目的地にリアルタイム広告で「先回り」 地図アプリの挑戦
【第4回】 7つのリアルタイムマーケを目的別に図解 範囲や狙いで使い分け ←今回はココ
そうした既存のデジタルマーケティングと、本特集で取り上げたリアルタイムマーケティングを分けるポイントは「文脈」にある。プレイドのカスタマーサクセスマネージャーの栗山玲依氏は「リアルタイムマーケティングは、解析処理がリアルタイムであることだと考えている。実店舗の販売員は、接客相手の言葉や表情を見てリアルタイムに対応を変えていく。そのようにデジタルで得たデータを基に、文脈を捉えて、適したコミュニケーションをすることがリアルタイムマーケティングで重要になる」と説明する。
ダイナミックリターゲティング広告の例でいえば、商品ページを訪れたという事実を基に追跡型広告を配信しているにすぎず、必ずしも文脈は考慮されていないことが多い。この点を踏まえたうえで、リアルタイムマーケティングのソリューションを紹介していこう。
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