2021年8月4日発売の「日経トレンディ2021年9月号」では、「道の駅&サウナ 最強ランキング」を特集。北海道の道の駅は、その広大な面積に129の施設が点在し、都道府県別ではもちろん全国最多となる。海に面した釧路や根室ではカキやサケといった海産物、内陸の十勝地方では畜産や酪農など、それぞれの地域が異なる特色を持つため、道の駅も個性的な所が多い。

※日経トレンディ2021年9月号の記事を再構成

前回(第7回)はこちら

 「道の駅」に詳しい専門家や消費者へのアンケートを基にしたランキングで、北海道エリアのトップ10に入った駅には、何か1つの食材をとことん追求するなど、「特化型」ともいうべき個性派が多く見られた。

 海鮮系グルメに特化した駅でいうと、1位に「うとろ・シリエトク」、5位に「厚岸グルメパーク」がランクインしている。世界遺産・知床半島の玄関口・斜里町ウトロに位置し、世界遺産センターと隣接する「うとろ・シリエトク」には新鮮な「鮭親子丼」があり、これを目当てにする利用者もいるくらいだ。サケの漁獲量が17年連続日本一という斜里町の特色を存分に生かしている。「周辺に宿泊施設や人気キャンプ場が点在し、観光案内コーナーで宿泊や各種アクティビティーの手配ができる」(ブロガーのさすライダー氏)という観光拠点としての利便性の高さも評価された。

 1年中カキを出荷できる厚岸町にある「厚岸グルメパーク」では、駅全体でカキ尽くしのグルメを提供。レストランだけでなくバーベキューコーナー、オイスターバールまである。バーベキューコーナーでは、カキを殻のままバケツいっぱいに入れ、そのバケツごと蒸し上げた「元祖バケツ牡蠣」、レストランでは、「北海道はまなか ほえいとん」の豚丼にカキフライを載せた「かきぶた合戦丼」など、見た目にもインパクトのあるメニューが特に人気だという。

 記念日にも使える高級レストランを打ち出し、上位に入った駅もある。2020年6月にオープンした2位の「かみしほろ」は、都内で修業を積んだシェフによる、「十勝の食材を使ったフルコースの料理が食べられる」(ライターの花岡俊吾氏)。十勝地方らしく、上士幌町産の生乳を使用したヨーグルト、菓子などオリジナルの乳製品も人気だ。

全国最多129カ所の道の駅が集まる激戦区

北海道の「道の駅」ランキングトップ10

■トップ10の道の駅の場所はこちら

【1位】北海道「うとろ・シリエトク」/171点/地図上の記号:A

 世界遺産知床の観光拠点として利便性が高い。「手軽に食べられるファストフードと、知床の味覚を味わえるレストランがある。特産品が買えるお土産コーナーも充実」(さすライダー氏)。登録年/2007年3月、温泉/無し、宿泊/無し。

【2位】北海道「かみしほろ」/101点/地図上の記号:B

 「デザイン性の高い建物で、十勝産のハーブ牛を使ったフルコース料理がある。ベーカリーもあり、地元パン店の商品やオリジナル牛乳など、地元の味を堪能できる」(花岡氏)。登録年/2020年3月、温泉/無し、宿泊/無し。

【3位】北海道「サーモンパーク千歳」/95点/地図上の記号:C

 「サケのふるさと 千歳水族館」に隣接する道の駅。「子供を遊ばせておけるキッズスペースなども充実するほか、道の駅では珍しい屋内のプロジェクションマッピングも常設」(ゼンリン「道ゆき」サービス担当の守屋之克氏)。登録年/2004年8月、温泉/無し、宿泊/無し。

【4位】北海道「しかべ間歇泉公園」/80点/地図上の記号:D

 「『しかべ間歇泉』は一度は見る価値あり。地元漁師の奥様方の運営する『浜のかあさん食堂』のプレミアムたらこ御膳は、地元の鹿部たらこがドーンと載っている」(全国道の駅支援機構理事の金山宏樹氏)。登録年/2015年11月、温泉/無し、宿泊/無し。

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