2021年8月4日発売の「日経トレンディ2021年9月号」では、「道の駅&サウナ 最強ランキング」を特集。乗り物にサウナ室を設置する移動式のサウナ「当麻町 ととのえバス」(北海道当麻町)、地下水を掛け流しにした水風呂がウリの「サウナしきじ」(静岡市)。サウナーにとって夢のような体験ができる多様な施設が誕生している。最高のリラックス効果が得られる2つの施設を訪れた。

※日経トレンディ2021年9月号の記事を再構成

北海道中央部の当麻町で誕生したキャンピングサウナバス「当麻町 ととのえバス」の車内
北海道中央部の当麻町で誕生したキャンピングサウナバス「当麻町 ととのえバス」の車内

前回(第7回)はこちら

向かう先すべてが「サウナスポット」に

 クルマとサウナ室が合体し、向かった先がサウナスポットになる――。全国で初めて、車内に本格的なサウナ施設があるキャンピングサウナバスが北海道中央部の当麻町で誕生した。それが、「当麻町 ととのえバス」だ。

 車内のサウナ室にはまきを使ったストーブがあり、ロウリュもできる。内装には当麻町産のトドマツが使用されており、木の香りで癒やされる。

車内のサウナ室ではロウリュもできる。バスの仕様に合わせて、サウナストーブは町内事業者が専用設計したものを使用(上)。バス内には電子レンジや冷蔵庫、シンクなどもある(下)
車内のサウナ室ではロウリュもできる。バスの仕様に合わせて、サウナストーブは町内事業者が専用設計したものを使用(上)。バス内には電子レンジや冷蔵庫、シンクなどもある(下)
■ととのえバスとその特徴
■ととのえバスとその特徴
●住所/北海道上川郡当麻町1247番地(トウマ電子工業) ●アクセス/JR石北本線 当麻駅から徒歩約10分 ●料金/24時間(1泊2日)レンタルで3万3000円(税込み)。後部座席には7人が乗車できる。キャンピングカーなのでベッド展開ができ、就寝も可能

 北海道といえば大自然。冬は寒くなるので、外気浴にも最適なエリアの一つだ。バスには水風呂は付いていないが、逆にいえば、海や川、湖のそばにバスを停めて、そこを水風呂にしてしまうこともできる。

 さらに、北海道では十勝地方をはじめ注目のサウナ施設が増えている。ととのえバスで道内を移動すれば、複数のサウナを巡りながら、移動の途中でもクルマを停めてサウナに入れるという、サウナーにとって夢のような旅行ができる。

サイドオーニングの状態
サイドオーニングの状態

 2021年6月から、ふるさと納税の返礼品としてバスをレンタルできるのに加え、一般向けのレンタルもスタートした。まだ始まって間もないが、今のうちに体験すれば、サウナの先端トレンドを知ることができる。

 バスの開発のきっかけは、ZOZO創業者の前澤友作氏による、ふるさと納税として8億円の寄付先を募集するというツイート。村椿哲朗町長がサウナによる町おこしのアイデアをツイートで提案したところ、前澤氏から当麻町に500万円が寄付された。これを機に、当麻町は「Made in 当麻町“ととのう”町サウナプロジェクト」を発足。その第1弾がととのえバスの開発だった。

 当麻町は、冬はマイナス30℃になることもある過酷さにもかかわらず、逆にその環境を味わいたいと、道内から多くのキャンパーが集う町だ。この魅力とバスの融合を目指し、バスを利用して泊まれるオートキャンプ場を造る構想がある。また、サウナ関連では地元の健康福祉施設「当麻ヘルシーシャトー」にも将来、フィンランド式サウナを設置することを視野に入れている。バスを中心としたサウナによる町おこしの行方にも注目だ。

地元・当麻山中にバスを使って過ごせる環境の整備も進める
地元・当麻山中にバスを使って過ごせる環境の整備も進める

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