
- 全15回
伝統工芸×テクノロジー
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- 第1回
- 2021.08.02
加速する「伝統工芸DX」 ライブ配信に3Dプリンター活用も コロナ禍の苦境が続く中、テクノロジーと融合し、復興へ動き出している業界がある。手仕事を強みとする工芸品の領域だ。コロナ禍前はEC化すらあまり進んでいなかったが、先端加工技術の導入や、ストーリーコマース、サブスクリプションといった新トレンドへの対応など、デジタル化、DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する。レガシー産業の進化は、日本復活の足がかりにもなりそうだ。 -
- 第2回
- 2021.08.02
伝統工芸の食器サブスクが人気? トヨタや日比谷花壇とも提携 伝統工芸とサブスクリプションサービス──。一見、縁遠い2つを組み合わせて市場拡大を図ろうとしているのが、「CRAFTAL(クラフタル)」だ。2019年6月に誕生した和食器のサブスクで、飲食店と一般消費者双方にサービスを提供。「伝統工芸品は高い」というイメージを払拭し、日常使いの市場を切り開く。トヨタファイナンス(名古屋市)や日比谷花壇(東京・港)とも提携、事業を広げている。 -
- 第3回
- 2021.08.04
創業142年の窯元がインスタライブ オンラインでも高額品が売れる 対面販売を主軸としてきた伝統工芸品。コロナ禍を経て、ライブ配信やクラウドファンディングを駆使し、より消費者と“密”に交流をする工房も出てきた。一般的なECサイトでは伝え切れない作り手の思いや商品に注ぎ込まれた技術などを深掘りして伝え、熱狂的なファンを生み出し、次の飛躍を目指す企業に話を聞いた。 -
- 第4回
- 2021.08.04
3次元データで肥前吉田焼 最新技術で伝統工芸を「作る」 特集の4回目は、伝統工芸が「作る」テクノロジーとどう向き合おうとしているかに焦点を当てる。3次元データを活用した肥前吉田焼を手がける224porcelain(佐賀県嬉野市)や、漆の素材を改良して食洗機に対応できる漆器を開発した漆琳堂(福井県鯖江市)は、いずれも伝統工芸ながら新しいものづくりにチャレンジし、独自のブランディングにまで結び付けている。 -
- 第5回
- 2021.08.06
SDGsは伝統工芸を救う切り札か 新素材やリサイクルに見る未来 ライフスタイルの変化やデフレ、海外製品などの脅威にさらされるなか、新しい波であるSDGs(持続可能な開発目標)の要素を取り込んで活路を見いだそうとしている老舗の企業もある。カーボンニュートラルな素材や原料のリサイクルは伝統工芸の未来を切り開くのか。果敢に挑戦する企業の最前線を追った。 -
- 第6回
- 2021.08.06
中川政七商店 中小工芸メーカーにECのノウハウを提供へ 工芸をベースにした生活雑貨などの企画・製造・販売を手がける中川政七商店(奈良市)は、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを掲げて同分野に特化した経営コンサルティング事業も推進している。日本の工芸の現状をどう見ているか、今後はデジタル化にどう乗ればいいか。会長の中川政七氏に聞いた。 -
- 第7回
- 2021.09.02
山口県とAIベンダーがタッグ 伝統の狂言の動きをデジタルで抽出 陶磁器や漆器といった伝統工芸だけではない。日本に古くからある伝統芸能でもテクノロジーを駆使し、迫りくる危機から脱しようという試みが行われている。 -
- 第8回
- 2021.09.15
倒れると自動点灯する「防災こけし」 「地震で倒れる」を逆手に 東北地方の土産や木地玩具として知られる「こけし」が、ECで独自の販売経路を開拓している。きっかけの一つに挙げられるのが、2010年代に起きた「第3次こけしブーム」だ。産業として存続するため、異業種とのコラボレーションや、制作現場のデジタル化、時代に合った販売経路を求める企業も出てきた。 -
- 第9回
- 2021.09.15
宙に浮く「ドローン仏像」がついに実現 技術で進化する仏さま 連綿と受け継がれてきた仏教の教えを、今の時代に合った形で人々に伝えるにはどうすればいいのだろうか。仏像を彫る仏師という立場から、新しいテクノロジーを積極的に取り入れて、この課題に取り組んでいるのが土御門仏所(京都市)の三浦耀山氏だ。カプセルトイとして気軽に手に入れられる仏様や、ドローンに乗って宙を飛ぶ仏像などを生み出し、人々が仏像と関わる場を広げようとしている。 -
- 第10回
- 2021.09.21
アーティストも注目「LinNe」 仏具の鈴でヒーリング市場開拓 京都府宇治市にある南條工房は、寺や家庭で仏具として使われる鈴(りん)を中心に製造している。創業は1830年ごろで、佐波理(さはり)と呼ばれる銅とスズを溶かした合金で作る伝統技法を継承してきた。新しい市場を開拓しようと、2019年に仏具以外の鈴として発売した商品が独自ブランド「LinNe」シリーズだ。 -
- 第11回
- 2021.09.21
スターバックスの地方創生 日本の伝統とコーヒーの融合を目指す スターバックス コーヒー ジャパン(東京・品川)の一部の店舗のみで販売する、日本各地のものづくりと協業した特別な商品群がある。「JIMOTO made Series」だ。その土地のコミュニティーの一員でありたいと考え、各地域とのつながりをより強く、深くするための活動の一環。2021年6月には、47都道府県ごとの特徴を反映した、その地域のみの限定商品「47 JIMOTO フラペチーノ」も発売した。 -
- 第12回
- 2021.09.24
星野リゾートも採用 最新テクノロジーで新しい食体験をデザイン 「デザインの力で今までにない“食体験”を提供したかった。そのために最先端のテクノロジーを活用した」。こう語るのは金沢市を拠点にするクリエイター集団、secca inc.(雪花)代表の上町達也氏。つくるのは料理を載せる食器のデザインではなく、食器を通じた体験のデザインだ。 -
- 第13回
- 2021.09.27
伝統産業とクリエイターのコラボが生んだ「漆×樹脂」のピアス 三井化学の「そざいの魅力ラボ(MOLp)」と、漆器など地場の工芸品を扱う問屋「漆器くにもと」(富山県高岡市)は共同で、太陽光によって経年変化する漆の色合いを楽しむピアスを開発した。三井化学による新素材「NAGORI™樹脂」に漆を塗布したもので、「EN(縁/円)」と「WA(輪/和)」の2種類ある。 -
- 第14回
- 2021.09.28
葛飾北斎も歌川廣重もDX 名作を再現する巨大映像技術とは 歴史的な名作絵画を明るい場所でじっくり鑑賞したい──。だが、作品の劣化を防ぎ、後世に伝えていくためには、照度を上げて展示するのは難しい。文化資産が持つこんな課題を解決する一つの方法が、文化資産をデジタル化するデジタルアーカイブだ。 -
- 第15回
- 2021.09.30
3人の目利きが本音で話す 工芸の「現在」「未来」 工芸は今、どんな課題を抱えているだろうか。テクノロジーを取り入れることで生まれる可能性や工芸の未来とは──。それぞれ異なるアプローチで、作り手と買い手をつなごうと活動する3人が語った、工芸にまつわる今、そして未来の話。