
江崎グリコは、「ポッキー」のブランドメッセージ「Share happiness ! (シェアハピネス)」を訴求するための施策にLINEギフト広告を活用した。「一緒に食べよう」と横に座る友人に箱を差し出す楽しさ。そんなインサイト(購買につながる心の動き)をコロナ禍でもデジタルで引き出すことに成功している。
1セット2箱で4万セット、合計8万箱のポッキーがわずか一日で完売――。
この成果を生み出したのは、グリコが2021年1月に行ったLINEギフト広告によるプロモーションだ。LINEギフトは、LINEを通じて「友だち」とプレゼントを贈りあうことができるサービス。その広告メニューの一つとして、「ペアギフト」がある。メッセージを添えてプレゼントを贈ることができ、贈った側ももらった側も商品をもらえるのが特徴だ。
例えばポッキーの場合、流れはこうだ。LINEギフトのキャンペーンページからギフトを贈りたい「友だち」を選択する。その次に表示される決済ページから、ポッキーを購入する。その後、「いつもありがとう」などといったギフトメッセージ作成すると、双方のLINEのトークにギフトメッセージが届く。ギフトメッセージにはポッキーのクーポンが含まれている。クーポンのコードをコンビニエンスストアで読み取ってもらうと、ポッキーと引き換えられる。贈り手側が購入したポッキー1箱分で、贈り手側と受け手側2箱分のポッキーが用意される仕組みだ。受け手側に送るポッキーは広告主である江崎グリコがキャンペーン用に用意する。
シェアハピネスの認知度広める
1966年の発売から55年もの歴史があり、国民的お菓子ともいえるポッキーは、ブランドメッセージとして「シェアハピネス」を掲げている。人と人との間にポッキーがあれば、会話のきっかけになり、気持ちがつながる。ただのお菓子ではなく、コミュニケーションツールとしての顔も持ち合わせているというわけだ。その一方で、江崎グリコ ポッキー企画グループ 妹川陽香氏は「シェアハピネス、幸せを分かち合うというところはポッキーの強みだが、まだ(認知度が)足りていない」と語る。
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