SNSアプリ マーケ新機能&活用術 第8回(写真)

アパレルブランド「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(以下GLR)」は、2020年4月からLINEのチャット接客に取り組んでいる。満足度は98~99%。その取り組みから、コロナ禍で広がるオンライン接客の秘訣は、店舗の「おもてなし」をいかにネットで再現するかにあることが見えてきた。

[画像のクリックで拡大表示]

前回(第7回)はこちら

 商品の実物を見せることはできない。しかもテキストベースのチャットでの応対。接客としては不利な条件にもかかわらず、GLRのLINE接客は、毎月のアンケートの満足度98~99%の数字をたたき出している。多いときには、月の利用件数は1000件を超える。

 新型コロナウイルス感染症拡大で外出しづらい状況が続いている。そうした中で「GLRが近くにない遠方の消費者、子どもがいて日中にゆっくり買い物ができない主婦層など、これまでGLRを利用していなかった方々にも利用していただけている」と、ユナイテッドアローズ 第2事業本部 販売部オンライン接客推進チーム リーダーの溝部弘之氏は高評価の理由を分析する。

 一度利用してもらえば、手軽さと利便性に気づいてもらえることから「体感としてリピート率も高い」(溝部氏)。ユーザーによってさまざまな利用法が広がっている。例えば、密を防ぐという意味では、来店できる人でも素早く買い物を済ませたいという人もいる。電車で移動中の顧客がLINEで問い合わせて、近くのGLRの店舗に商品を取り置きするようなケースもあるという。

お客の表情は想像するしかない

 新型コロナウイルス感染症拡大による1度目の緊急事態宣言で、GLRが店舗を構えている商業施設も営業自粛を余儀なくされた。店頭に立てなくなったスタッフの人員活用はもちろん、顧客が電子商取引(EC)利用で抱えている悩みや困りごとを解決するのにもつながるとして、急きょLINEのチャット接客を立ち上げた。

記者がオンライン接客を体験した際のLINEのトーク画面。文面も親しみやすく、返信も10分以内に来て、安心感があった
記者がオンライン接客を体験した際のLINEのトーク画面。文面も親しみやすく、返信も10分以内に来て、安心感があった
[画像のクリックで拡大表示]

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。