※日経エンタテインメント! 2021年7月号の記事を再構成
日経エンタテインメント!「タレントパワーランキング2021」で、男優の順位はどう動いたか。36ランクアップした賀来賢人を筆頭に、綾野剛、遠藤憲一、井ノ原快彦、山﨑賢人、沢村一樹ら中堅・ベテランが圏外からランクイン。入れ替えの大きい結果となった。
男優部門は、大泉洋が2連覇。福田雄一監督と初タッグを組んだ『新解釈・三國志』(2020年12月公開)は、コロナ禍のなか興行収入約40億円の大ヒット、さらに第71回紅白歌合戦の白組司会に抜てきされるなど、“国民的俳優”の地位を築いた。
13位から2位に大きく上昇したのが、この春にジャニーズ事務所を退所した長瀬智也。1月クールの宮藤官九郎脚本ドラマ『俺の家の話』放映中の2月期調査で、一気にスコアを伸ばした。
29位から9位にジャンプアップしたのが、堺雅人。20年7月から放送開始し、怪演を見せたドラマ『半沢直樹』は世帯平均視聴率20%以上を続け、最終回には32.7%の驚異的な数字を記録した。20年にはマクドナルドのCMにも出演。年末年始の富士フイルムのCM「お正月を写そう♪2021」で広瀬アリス・すず姉妹と共演したこともスコアアップにつながったと見られる。10位の香川照之は、『半沢直樹』放映後の11月期のスコアが40.2。堺雅人(38.8)を凌ぐ数字を叩き出した。
14位の綾野剛は、特に星野源と共演した『MIU404』放映時、8月調査での4.5ポイント上昇が効いている。『MIU404』は平均視聴率11.9%。オリコン調べのドラマ年間満足度ランキングで『半沢直樹』に次ぐ2位に入った。
トップ30のうち12人が、ジャニーズ事務所所属の現役とOB。6位の櫻井翔は、4月からドラマ『ネメシス』(日テレ系)で主演を務めているため男優編に復活させた。しかし、今回の対象期間での俳優活動はなく、スコアはタレントやキャスターとしてのパワーを反映したスコアだ。
30位以上のランクアップを見せたのが、15位の遠藤憲一、16位の賀来賢人、27位の妻夫木聡、29位の風間俊介の4人。遠藤憲一は、玉木宏主演のサスペンスドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』で演じた久々の悪役が好評を博し、21年の年明けからはドラマ『バイプレイヤーズ ~名脇役の森の100日間~』が放映開始。特に30代以上、中高年層のスコアが高い。賀来賢人は興収53億円を超えた『今日から俺は!!劇場版』などの福田雄一監督作品に加え、ドラマ『半沢直樹』への出演で、幅広い層への認知度を高めた。
妻夫木聡は、昨年11月調査で大きくスコアアップ。東野圭吾原作のドラマ『危険なビーナス』での主演や、日本アカデミー賞助演男優賞を獲得した映画『浅田家!』(10月公開)での主人公の兄役などが大きく影響したと見られる。ドラマ『監察医 朝顔』で、主人公・朝顔の夫役を演じる風間俊介は、女性の認知度が約9割。大河ドラマ『麒麟がくる』での徳川家康役や『記憶捜査~新宿東署事件ファイル~』などの俳優業に加え、18年10月から『ZIP!』の月曜メインパーソナリティーを続けていることも追い風に。幅広い年代とのタッチポイントの増加が、大幅なスコアアップにつながった。
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