※日経エンタテインメント! 2021年7月号の記事を再構成

最近注目されているタレントは誰なのか。日経エンタテインメント!の「タレントパワーランキング2021」では、タレントパワースコアの伸び率が大きいタレントを「急上昇編」として紹介している。「オロナミンC」のCM出演などで性別世代問わず注目を集めた森七菜が1位に。江口のりこ、伊藤沙莉らバイプレーヤーとして存在感を示した女優や、バラエティ番組で旋風を巻き起こしたフワちゃんが上位にランクインした。

 この1年で「タレントパワースコア」を一気に伸ばしたのは誰か。それをランキング化したものが下の表「急上昇TOP30」だ。「総合TOP100」にはまだ届かない人も多いが、1年で認知度と関心度が大幅にアップした、旬の顔ぶれが分かる。

スコアは小数点第2位で四捨五入。順位は第2位以下も含めて付けた。調査時期は2月なので長瀬智也はTOKIOと記載
スコアは小数点第2位で四捨五入。順位は第2位以下も含めて付けた。調査時期は2月なので長瀬智也はTOKIOと記載

 今回の調査で1位となったのは女優の森七菜。20年調査の7.7ポイントから18.5ポイントもスコアを伸ばし、今年のスコアは26.2ポイント。スコアの伸びで2位以下に大きく差をつけての大躍進となった。20年はNHKの朝ドラ『エール』に二階堂ふみ演じるヒロインの妹役として出演したことにはじまり、10月期のドラマ『この恋あたためますか』で連ドラ初主演と快進撃が続く。『恋あた』はTVerでの2020年10-12月期番組再生数ランキング1位と注目を集めた作品で、地上波放送後「#恋あた」がツイッターの世界トレンド入りするなど反響を呼んだ。また、「オロナミンC」のCMキャラクターにも抜てきされ、天真爛漫な笑顔で年齢・世代問わず多くの人を引きつけた。

同年代に加えて親世代からの支持も
同年代に加えて親世代からの支持も
年代別の支持層を見ると、昨年から一貫して同性代に熱く支持されており、特に同性の数値が高い。今年に入って、50代を中心に親世代の数字も大きく伸びた。朝ドラや相次ぐナショナルクライアントCMへの出演で知名度が高まり、支持層が広がった形だ

 2位は女優の松本まりか。18年、『ホリデイラブ』で演じた“あざとかわいい”キャラクターで注目を集め、20年も『竜の道 二つの顔の復讐者』をはじめ、『妖怪シェアハウス』『先生を消す方程式。』と、数々のドラマに途切れることなく出演。また、特番を経てレギュラー化したテレビ朝日のバラエティ『あざとくて何が悪いの?』にたびたび出演し、プライベートやSNSの使い方も話題になった。

取り憑かれたような狂気をはらんだ演技から「怪演女優」とも言われる。21年はCMにも多数出演。サントリー鏡月のCMではにかみながら『はじめてのチュウ』を歌う姿は「あざとすぎる」と話題に。5月スタートの『WOWOWオリジナルドラマ 向こうの果て』で連ドラ初主演を果たすなど、快進撃が続く
取り憑かれたような狂気をはらんだ演技から「怪演女優」とも言われる。21年はCMにも多数出演。サントリー鏡月のCMではにかみながら『はじめてのチュウ』を歌う姿は「あざとすぎる」と話題に。5月スタートの『WOWOWオリジナルドラマ 向こうの果て』で連ドラ初主演を果たすなど、快進撃が続く

 3位のティモンディは芸人の急上昇1位。プロ野球からスカウトを受けた経験があるボケの高岸宏行、高校時代に身体能力測定で2年連続全国1位となったツッコミの前田裕太のコンビで、他にはないポジションを確立している。20年は『炎の体育会TV』などのスポーツ系の番組や体当たりロケに数多く挑戦。21年からは『炎の体育会TV』でレギュラーとなり、STVで初の冠番組『ハレバレティモンディ』がスタート、高岸は22年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』への出演が決まっているなど、話題が途切れない。

2015年1月結成のお笑いコンビ。甲子園常連の名門校・済美高校野球部出身で『ゴッドタン』の「この若手知ってんのか2019」の出演で注目を集める。20年は『有吉ゼミ』の大食い企画などがたびたび話題に。YouTubeチャンネル『ティモンディベースボールTV』も人気で、登録者は23万人を超える
2015年1月結成のお笑いコンビ。甲子園常連の名門校・済美高校野球部出身で『ゴッドタン』の「この若手知ってんのか2019」の出演で注目を集める。20年は『有吉ゼミ』の大食い企画などがたびたび話題に。YouTubeチャンネル『ティモンディベースボールTV』も人気で、登録者は23万人を超える

 4位は俳優、アーティストとして活躍する北村匠海。20年は浜辺美波とのW主演作『思い、思われ、ふり、ふられ』や単独初主演作『とんかつDJアゲ太郎』など、出演映画が立て続けに4本公開。映画5本、ドラマ4本に出演し、男性の急上昇ランク1位となった。ダンスロックバンドDISH//のリーダーとしても活動しており、DISH//は急上昇16位にランクイン。3月にYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で公開した『猫~THE FIRST TAKE ver.~』が公開直後から人気を集め、21年2月には「THE FIRST TAKE」の作品として初めて1億回再生を突破した。

2011年結成のロックバンド。2020年3月にYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に北村匠海が出演し、あいみょん提供曲『猫』を歌唱。これが再生回数1億回超えの大ヒットに。北村匠海の俳優としての人気も後押しし、10代女性を筆頭に高い人気を得ている
2011年結成のロックバンド。2020年3月にYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に北村匠海が出演し、あいみょん提供曲『猫』を歌唱。これが再生回数1億回超えの大ヒットに。北村匠海の俳優としての人気も後押しし、10代女性を筆頭に高い人気を得ている

 アーティストではLiSAあいみょんがそれぞれ昨年に引き続きランクイン。LiSAは昨年は7.5ポイント伸ばして急上昇ランク8位だったが、今年はさらに12ポイント伸ばして5位に。テレビアニメ『鬼滅の刃』に続いて10月公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』にも主題歌『炎』を提供し、その歌声が多くの人に届いた。あいみょんは今年は10.8ポイント伸ばして8位。昨年4月から放送の「淡麗グリーンラベル」でCMに初出演し弾き語りを披露したほか、7月期のドラマ『私の家政夫ナギサさん』に主題歌『裸の心』を提供している。

 6位にランクインした江口のりこは夏以降の話題作への起用が続き、パワースコアも右肩上がり。8月から放送された『半沢直樹』で白スーツがトレードマークの国土交通大臣役で視聴者に強烈なインパクトを与えたことにはじまり、21年1月期は『その女、ジルバ』と『俺の家の話』の2作に出演した。『俺の家の話』は22位の長瀬智也(TOKIO)の引退作で、長瀬演じる観山寿一の妹を好演。バイプレーヤーとしての存在感を発揮した。

2000年に劇団東京乾電池に入団し、女優として活動を開始。幅広い役を演じ、作品の良さを引き立てるバイプレーヤーとして映画やドラマに欠かせない存在となっている。2020年も『半沢直樹』で強烈なキャラクターの政治家を好演。2021年4月からはドラマ初主演作『ソロ活女子のススメ』も放送中
2000年に劇団東京乾電池に入団し、女優として活動を開始。幅広い役を演じ、作品の良さを引き立てるバイプレーヤーとして映画やドラマに欠かせない存在となっている。2020年も『半沢直樹』で強烈なキャラクターの政治家を好演。2021年4月からはドラマ初主演作『ソロ活女子のススメ』も放送中

 12位にランクインした伊藤沙莉も、名脇役として頭角を現した女優の1人。20年1月期のテレビアニメ『映像研には手を出すな!』に声優として主演したことでも注目を集めた。他の若手女優にはない落ち着いたハスキーボイスが持ち味で、「メルカリ」「TVer」など、6本のCMにも出演している。

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