
三菱鉛筆は2021年2月、シャープペンシルの替え芯(以下、シャープ替え芯)「uni(ユニ)」を発売した。シャープ替え芯の基幹ブランドのフルリニューアルは、13年ぶり。「勉強ノートをSNSで見せ合う」というZ世代の“新しいカルチャー”を踏まえて開発。既存品の5倍以上の売れ行きを見せる店舗もあり、勢いはさらに増しそうだ。
新しいシャープ替え芯uniは既存品の「ユニ ナノダイヤ(以下、ナノダイヤ)」の「折れにくい」「濃い」「滑らか」という3つの特長に加え、こすれに強く、書いた後のノートを「汚さない」という新たな価値をプラスした。
これに伴い、パッケージデザインを一新。片手で開閉できて、ケースを下に傾けることなく芯を取り出せるスライド式のパッケージを新たに開発した。これまでのシャープ替え芯のイメージとは異なる、白を基調とした生活空間になじむデザインも話題となっている。
シャープ替え芯のuniはまず21年2月に、0.3ミリメートルと0.5ミリの芯径から硬度HB、B、2Bの6種類を先行で発売し、同年5月にラインアップを拡充。現在、0.3ミリから0.9ミリの5つの芯径で、4Hから4B、最大10硬度の計20種類を販売している。現在、文具店の多くが21年12月で販売終了となるナノダイヤとuniを併売をしている状況だ。
三菱鉛筆 経営企画室広報担当の奥村華奈子氏は、「uniの売れ行きは好調。既存品のナノダイヤよりも、5倍以上売れている店舗もある。12月に既存品が廃番となった後は、uniの売れ行きがさらに伸長すると見込んでいる」と言う。
SNSでは発売直後から、「汚れにくさ」と「ケースの外観の良さや扱いやすさ」に関するコメントが数多く投稿されている。特に近年、人気が高まっている0.3ミリの替え芯の反響は大きかった。価格はそのままで、15本から25本に増量したからだ。「たくさん入っている。うれしい!」といった喜びの声も寄せられているという。
商品開発部 商品第一グループの吉田和則係長は、「増量したことは大々的にアピールしていなかったので、気づいてもらえないかなと思っていたが、想定以上に反響があった。メインターゲットの中高生を中心に、0.3ミリの芯が好まれていることを再認識した」と話す。
シャープペン市場もコモディティ化
シャープ替え芯の市場は、三菱鉛筆とぺんてる(東京・中央)、パイロットコーポレーションによる三つどもえの状態が続いている。どのメーカーも高性能な芯を開発しているが、コモディティ化している状況だ。
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