加速する自治体DX 第3回(写真)

特徴あるスタートアップにとっても、加速する自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)の動きは大きな商機だ。独自のAI-OCRサービス「Tegaki」を武器に幅広く自治体に攻勢をかけるCogent Labs(コージェントラボ、東京・港)、行動科学の知見とAI(人工知能)を活用して住民の行動変容を促す「BetterMe(ベターミー)」を提供するケイスリー(東京・千代田)。自社の突出した技術を前面に出して自治体DXの波を捉える2社の取り組みを追った。

Cogent Labs(コージェントラボ)のWebサイト
Cogent Labs(コージェントラボ)のWebサイト

前回(第2回)はこちら

 AI-OCRとは、さまざまな紙の書類をスキャンして取り込むだけで、AIが文字を読み取り、デジタルデータ化して保存するサービスだ。自治体DXをビジネスに結び付けようとする多くのIT系企業が提供しており、AI-OCR市場はいわば“レッドオーシャン”の状態にある。

 その中で、多くの自治体が次々に導入を決めているのが、Cogent Labsが開発したAI-OCRサービス「Tegaki」だ。Cogent Labsの代表取締役CEO(最高経営責任者)であるエリック・秀幸・ホワイトウェイ氏は、「2021年3月期のCogent Labsの業績のうち、主にTegakiが稼ぎ出したサブスクリプション収入は、前年度比で2倍に伸長した」と語る。

 Tegakiが多くの自治体に支持される理由は大きく分けて4つある。

【特集】加速する自治体DX
【第1回】 自治体DXに商機見いだすNEC AI使ったヘルスケア領域を新規開拓
【第2回】 社長自ら自治体のCDOに! 通信やBPOで行政DXに挑むNTTグループ
【第3回】 AI-OCRと行動変容 独自の強みで自治体DXを進める新興2社 ←今回はココ

手書き文字認識率99.2%の高精度

 1つ目は、「手書き文字認識率99.2%」というその読み取り精度の高さだ。これまで自動認識が難しかった、きれいとは言えない手書き文字を、高速かつ高精度に読み取れる。「AIが文字の形を非構造データとして把握し、解析する仕組みを構築する」(ホワイトウェイ氏)ことで、こうした高精度を実現した。読み取り精度が高ければ、自治体職員が後から目視などでデータを確認する際に、訂正する手間が省ける。

必ずしもきれいに書かれたとは言えない手書き文字でも高精度で認識する
必ずしもきれいに書かれたとは言えない手書き文字でも高精度で認識する

 また、新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種すると、予診票など必要書類に接種券やワクチン名・ロット番号を記載したシールを貼る必要が生じる。貼る際にずれるとうまく読み取れないAIーOCRも少なくない中、Tegakiは「シールが傾いて貼られていても問題なく読み取れる」(Cogent LabsのMarketing & Product Management Senior Product Managerの泉真悟氏)。こうした細かな技術の完成度の高さが、自治体から高い評価を受けたという。

新型コロナウイルスワクチンの接種に必要な書類に貼るシールが少し傾いたり、ずれたりしても、問題なく読み取れる
新型コロナウイルスワクチンの接種に必要な書類に貼るシールが少し傾いたり、ずれたりしても、問題なく読み取れる

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