IoTや5Gなど様々な分野での需要増大で「半導体」市場は拡大が続く。部品や材料など関連銘柄は幅広く、研磨機械を手掛ける浜井産業のように比較的割安な狙い目銘柄もまだある。ワクチン接種の進展で、「アフターコロナ」に業績改善を見込む銘柄にも注目。株のプロたちは、健康分野や外食関連の期待株を挙げる。
※日経トレンディ2021年8月号の記事を再構成
IoT(モノのインターネット)、高速通信規格の5G、クルマの電装化といった様々な先端分野での旺盛な需要を受け、「半導体」の市場拡大は加速する。関連銘柄の株価は高止まりが目立つが、その中でもまだ割安なものはあり、狙い目になる。

坂本慎太郎氏
証券会社で株式と先物の売買を担当。かんぽ生命保険を経て、個人投資家育成のため、こころトレード研究所を設立する。ラジオNIKKEIの投資番組でも人気

鈴木一之氏
大和証券で株式の売買・分析に従事する。その後、インフォストックスドットコムで日本株チーフアナリストを務める。07年に独立

藤ノ井俊樹氏
投資歴約50年。本来あるべき株価と実際の株価とのギャップを利用した「ミスプライス投資」を通じて、個人投資家に情報提供を行う
藤ノ井俊樹氏が注目銘柄に挙げるのは、ラップ盤などの研磨機械を製造する浜井産業(東2・6131)。業績回復はまだ道半ばで、PER(株価収益率)は10倍程度にとどまる。「業績がこのまま堅調に改善すれば、復配も期待できる」(藤ノ井氏)という
手堅く狙うなら、フジミインコーポレーテッド(東1・5384)が候補に挙がる。半導体の研磨材分野において世界トップシェアで、その技術力の高さは、米インテルをはじめ世界的に高く評価されている。2022年3月期は、営業利益が前期比11%増の見通しと好調だ。
フジミに代表されるように、半導体関連では高い世界シェアを持つ日本企業は珍しくない。半導体の材料となるシリコンウエハーに塗る感光材「フォトレジスト」を手掛ける東京応化工業(東1・4186)は、その一つ。「高い技術力を武器に20年12月期は設立以来最高の売上高を記録した」(坂本慎太郎氏)。今期も増収増益を見込む。
シリコンウエハーそのものでは、SUMCO(東1・3436)と信越化学工業(東1・4063)の2社で世界シェアが5割を超える。特に専業のSUMCOは、半導体の強気相場に乗る形で買いを検討するのもありだ。この業界は景気の波によって設備の増強と縮小を繰り返してきた。SUMCOは設備増強に慎重姿勢だったが、「いよいよ生産拡大に踏み切るのではないか」(鈴木一之氏)との見方がある。
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