社会人が通う大学院として最もニーズが高いのが、MBA(経営学修士)の学位を取得できるビジネススクールだろう。早慶はビジネススクールでも国内トップレベルを誇る。世界ランキングの、Eduniversal Worldwide Business Schools Ranking 2020では共に最高ランクを獲得し、日本部門で慶応義塾大学は1位、早稲田大学は2位だ。では、両大学では何が違うのか。

※日経トレンディ2021年8月号の記事を再構成

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 慶応義塾大学大学院の「KBS」は1962年設立で、日本で最も歴史のあるビジネススクールだ。MBA(経営学修士)の学位が取得できる経営管理研究科と、学位は取得できないものの、単発で受講できるセミナーを提供する「ビジネス・スクール」があり、この2つを包括してKBSと呼ぶ。セミナーは短期間だったり、土曜日に通えたりするため、社会人でも受講しやすい。

 ただ、MBAを取得できる経営管理研究科に入るのは、ややハードルが高い。2年間フルタイムの「修士課程MBAプログラム」が基本で、平日は朝9時から16時半まで、毎日時間割に沿って授業を受けなくてはならないからだ。そのため、働きながら修了するのは難しい。

 しかし、37歳以上の社会人の場合、働きながらでもKBSに通ってMBAを取得するチャンスがある。2015年に開設された「修士課程EMBAプログラム」は、職務経歴が通算15年以上あれば出願資格を得られる。初年度納付金は、221万7600円のMBAプログラムと比べると130万円以上高く、356万7600円かかるが、修了に必要な単位数が少なく、修士論文の提出も要らないのが利点だ。

【慶応のMBA】1962年創立の伝統で著名人を多く輩出
■「EMBA」は職務経歴が15年以上ある人が通える夜間プログラム
■「EMBA」は職務経歴が15年以上ある人が通える夜間プログラム

 ビジネスリーダーの育成を目指し、MBAプログラムでは組織マネジメントから会計管理、総合経営などまで、経営管理の基本となる8領域の必修科目を1年次に学ぶ。希望すれば海外のビジネススクールへの交換留学や、フランス、ドイツの提携校での学位取得も可能だ。職務経歴15年以上で出願資格が得られるEMBAプログラムは、土曜日中心のカリキュラム。集大成としては個人研究の発表を行い、論文執筆の必要は無い。

日吉キャンパスに設置
日吉キャンパスに設置
〈主な卒業生〉
李在鎔氏(サムスン電子副会長)、内田和成氏(元ボストン・コンサルティング・グループ日本代表、早稲田大学教授)、川俣喜昭氏(元モルガン・スタンレーMUFG 証券会長、日本アジア投資社長)、柴田裕氏(キーコーヒー社長)、田中伸一氏(元グッチグループジャパン社長)、山田邦雄氏(ロート製薬会長)など ※敬称略

〈入試方法〉
●MBAプログラムの場合
一般入学試験:書類審査、筆記試験(小論文)、面接(22年度予定)。その他、国際プログラム重視入学試験、企業派遣対象入学試験がある
●EMBAプログラムの場合
常勤の正社員として通算15年以上の職務経歴が必要。出願方式B(個人の資格による出願)。書類審査、面接(21年度は小論文中止)その他、出願方式A(所属する企業・団体等の推薦による出願)がある

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