慶応義塾大学の三田会や早稲田大学の稲門会に、他大学出身でも今から入れる方法がある。最も正攻法といえるのが、大学院受験だ。最近では平日夜間や土曜履修で修了できる大学院の研究科が増えており、早慶も例外ではない。働きながら修士号を取得することが可能だ。

※日経トレンディ2021年8月号の記事を再構成

前回(第17回)はこちら

 今からでも早稲田や慶応で学びたいと考える社会人の、有力な選択肢となるのが大学院だ。職場が東京都内なら、早稲田キャンパスなどアクセスしやすい場所の大学院はさらに通いやすい。

 社会人入試の場合、大学院入試のハードルも、研究科によってはそれほど高くない。筆記試験が課されず、研究計画書や英語能力試験のスコアを提出し、面接を通過すれば入学できる研究科もある。

平日夜間、土曜日の履修だけでも修了できる大学院は多い
■慶応義塾大学
■慶応義塾大学
注)2つの表は中央ゼミナール赤田達也氏協力のもと、編集部で作成

 上の2つの表にまとめたのが、両校の大学院で平日夜間や土曜の授業がメインの主な研究科。働きながら通える大学院は早稲田に多く、スポーツ科学研究科や人間科学研究科など1年で修了できる研究科もある。早稲田の法学研究科は専攻によって修了年数が異なる。博士号も狙いたいなら、慶応の政策・メディア研究科も注目。修士号が無い人も、博士課程から進学できる可能性がある。

 もちろん、自分の仕事に役立つ研究ができるかどうかが最重要だが、イメージできない場合は、「通いやすさや入試の受けやすさから、受験する研究科を選ぶのも手だ」(大学院受験に詳しい中央ゼミナールの赤田達也氏)

 大学受験とは違い、大学院受験は就職活動のように、希望する研究科との相性が問われる側面も強い。出願書類の一部によく組み込まれている研究計画書は、自分がその研究科でどんな研究をしたいのか、どうやって研究を進めるつもりかを示すもので、就活でいうエントリーシートの志望動機のようなもの。「今までの自分の経験や職歴の強みと、大学院の研究科が求める人物像がうまく関連するような研究計画書ができれば、合格に近づく」(赤田氏)

早稲田には通いやすい研究科が多数ある

 では、早慶で社会人が通いやすい研究科はどこか。全部で20もの大学院研究科を持つ早稲田は、社会人の受け入れ態勢が整う研究科が多い。

 通いやすさの面で言えば、注目はスポーツ科学研究科の修士課程1年制コースだ。平日夜間や土曜日に履修できるうえ、通常の大学院は修士号取得までに2年間かかるところ、1年間で修了できる。入試も筆記試験は無く、研究計画書や面接で選抜される。元プロ野球選手の桑田真澄氏や大相撲元横綱の稀勢の里寛氏、青山学院大学陸上競技部監督の原晋氏などが修了したことでも有名だ。しかも、同研究科の対象者はスポーツ選手だけにとどまらない。スポーツクラブのマネジメントからスポーツジャーナリストなどまで、多様な6コースがあり、受験時点で選べる。

【早稲田】スポーツ科学研究科 修士課程1年制コース
〈研究計画書や面接で選抜〉
所沢キャンパス本拠の研究科だが、修士課程1年制コースはエリートコーチングコース以外、早稲田キャンパスが中心で、平日夜間、土曜日に履修できる。社会人入学試験は、原則として3年以上の実務経験がある人が対象。入試では、研究計画書など出願書類の提出と面接が課される。スポーツクラブのマネジメントから介護予防の実践技能などまで、6つのコースを受験時点で選択できる

〈主な卒業生〉
・桑田真澄氏(元プロ野球選手)
・稀勢の里寛氏(元力士)
・原晋氏(青山学院大学陸上競技部監督)など

 この他、人間科学研究科の修士課程1年制・教育臨床コースも1年間で修了が可能だ。

 モノづくりの技術を基礎とした事業マネジメントを学べる創造理工学研究科経営デザイン専攻社会人特別履修プログラムの入試も基本的に筆記試験は無く、代わりに英語能力試験のスコアを提出する。2年以内に記録した、TOEIC Listening & Reading Test 550点以上、TOEFL iBT 57以上、IELTS Academic 5.5以上のいずれかのスコア提出が出願条件の一部にあり、面接も課される。

 同研究科では、商品化や事業化、事業オペレーションシステムの計画などに携わる社会人を対象に、実践的なグループワークなどを実施。平日夜間、土曜日に履修できるうえ、修了年数も1年半と短めだ。

【早稲田】創造理工学研究科 経営デザイン専攻 社会人特別履修プログラム
〈英語能力試験のスコア提出が出願条件に〉
実務経験が5年以上ある社会人を対象に、平日夜間、土曜日に1年半履修することで修了できるプログラム。創造理工学部と同じ西早稲田キャンパスにある。モノづくりに基盤を置きつつ、事業マネジメントの実践的な教育、研究をしている。筆記試験は基本無いが、入試には決められた英語能力試験のスコア提出(右表)や面接が必要となる

〈必要な英語力試験のスコア〉
・TOEIC Listening & Reading Test 550点以上
・TOEFL iBT 57以上
・IELTS Academic 5.5以上
2年以内に上記のいずれかを満たしていること

 この他、全日制ではあるが、情報生産システム研究科も、研究計画書に加え、点数の制限は無いTOEICや英検といった英語能力試験のスコアを提出して、面接を通れば入学できる。

【早稲田】情報生産システム研究科(全日制)
〈文系出身者も入りやすい理工学系の研究科〉
全日制で、福岡県北九州市の北九州キャンパスを本拠地とする。情報アーキテクチャ分野、生産システム分野、集積システム分野に大きく分かれ、理工学系の研究科ではあるが、情報関係や経営工学関係を学ぶ目的で文系出身者も多数入学。入試には研究計画書や、点数の制限はないTOEICや英検といった英語能力試験のスコア提出、面接が必要。初年度納付金合計136万7000円

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