熱狂の“推し”マーケティング

「推し」を応援したいというファンの熱い思い。それは時にその推しを広告などに起用した企業にも向き、商品の売り上げや企業の好感度の底上げにつながる。直近ではゲームから生まれた2次元アイドル「IDOLiSH7(アイドリッシュセブン)」を起用した森永乳業、ロート製薬がその例だ。ファンの心をつかんだ施策とは?

“推す”女性が多い『アイドリッシュセブン』はバンダイナムコオンラインのゲームから生まれた2次元アイドルグループ。企業とのコラボも盛んだ ©アイドリッシュセブン
“推す”女性が多い『アイドリッシュセブン』はバンダイナムコオンラインのゲームから生まれた2次元アイドルグループ。企業とのコラボも盛んだ ©アイドリッシュセブン

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 『アイドリッシュセブン』、通称「アイナナ」は、バンダイナムコオンラインが提供するスマートフォン向け音楽ゲーム。父親の経営する「小鳥遊芸能事務所」で働くことになった主人公が、7人組男性アイドルグループ「IDOLiSH7」のマネージャーとなり、彼らと共にトップアイドルを目指す。2015年のゲーム配信開始以来、漫画、小説、音楽、テレビアニメの放送など、メディアミックスを次々に展開。メインのIDOLiSH7に加え、ライバルグループなども登場し、現在は女性を中心に、幅広い支持を集めている。

 その人気に目を付け、近年は企業とのタイアップやコラボレーションも増えている。18年にはジェイアール東海ツアーズが広告タレントに起用。19年にはDHC、20年には花王、ヤマト運輸のアンバサダーに就任した。

【特集】熱狂の“推し”マーケティング
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【第3回】 パイロットの30年記念文具は「推し活」用 細部に隠しメッセージ
【第4回】Z世代女子を分析 企業が「推し」を味方に付けるための5カ条

 21年夏は2つの企業がコラボを展開した。1つは、「リプトン」シリーズの紅茶を販売する森永乳業。もう1つはプロテインパウダー「プロポ プロテイン」を販売するロート製薬だ。

コロナで下がった販売のテコ入れに起用

 森永乳業がコラボしたのは、リプトンの470~500ミリリットル紙パック商品。きっかけはコロナ禍での売り上げ減少だ。森永乳業マーケティング統括部ビバレッジ事業マーケティング部リーダーの安部竜馬氏によると、「会社や学校がリモートワークに突入し、コンビニを中心とした同製品の販売数が減少した」。特に落ち込みが大きかったのが学生だった。そこで、10~20代前半のテコ入れ策として、女性に人気のIDOLiSH7にブランドアンバサダー就任をオファーしたのだという。

森永乳業は『アイドリッシュセブン』に登場するアイドルグループ「IDOLiSH7」をリプトン紙パック商品のアンバサダーに起用 ©アイドリッシュセブン ©BNOI/アイナナ製作委員会 Photo by Masami Inomata, Color design by Mariko Shinohara, Package design by Halloween Inc.
森永乳業は『アイドリッシュセブン』に登場するアイドルグループ「IDOLiSH7」をリプトン紙パック商品のアンバサダーに起用 ©アイドリッシュセブン ©BNOI/アイナナ製作委員会 Photo by Masami Inomata, Color design by Mariko Shinohara, Package design by Halloween Inc.

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