セゾン自動車火災保険(東京・豊島)は脱クッキー時代に先駆け、米フェイスブックが新たに提供を始めたクッキー不要の広告計測技術「コンバージョンAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」をいち早く導入した。2021年3月に広告配信テストを実施した結果、広告効果は従来の手法と比較して上昇。コンバージョン数が16%増加し、CPA(顧客獲得単価)は14%低下する改善効果が表れた。

前回(第6回)はこちら

セゾン自動車火災保険(東京・豊島)は、米フェイスブックが新たに提供を始めたクッキー不要の広告計測技術「コンバージョンAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」をいち早く導入した
セゾン自動車火災保険(東京・豊島)は、米フェイスブックが新たに提供を始めたクッキー不要の広告計測技術「コンバージョンAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」をいち早く導入した
[画像のクリックで拡大表示]

 「既存の仕組みの運用を続けた場合、サード・パーティー・クッキー規制後に同じ効果を出し続けるには大幅な広告費の増加が必要という試算が出た」

 セゾン自動車火災保険マーケティング部企画グループの黒川美帆主任は戦々恐々と語る。同社が活用に注力するFacebook広告に、サード・パーティー・クッキー規制が与える影響を考慮した試算だ。

 セゾン自動車火災保険は、ネットで申し込みが完結する通販型自動車保険「おとなの自動車保険」を販売する。商品認知段階では広く情報を届けられるテレビ広告などのマス広告を活用しているが、テレビCMを見てすぐに問い合わせや申し込みをする消費者は少ない。他社商品と比較するなど、検討を重ねて申し込む。そうした商品特性上、サイト訪問履歴を持つ消費者に直接広告を配信して、再訪問を促せるリターゲティング広告を重宝してきた。

 マス広告で認知を広めてサイト訪問を促し、リタゲ広告で刈り取るという、ダイレクトマーケティングの王道的な広告戦略と言える。こうした広告戦略を根底から揺るがす可能性があるのが、グーグルが発表したWebブラウザー「Chrome」におけるサード・パーティー・クッキー受け入れ停止だ。これにより、将来的に今まで通りの広告運用を続けられなくなる懸念が急浮上した。

広告の正しい評価ができなくなる恐れ

 リタゲ広告は広告主のWebサイトへの訪問者のアクセス情報をサード・パーティー・クッキーで捕捉し、外部メディアの広告枠を通じて再訪問を促す広告で狙い撃ちする。その仕組み上、サード・パーティー・クッキーの規制の影響をもろに受ける。それだけにとどまらない。セゾン自動車火災保険が注力してきた、Facebook広告にも大きな影響を及ぼす可能性が高い。

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。