紛糾! どうなる? 脱クッキー対策

サード・パーティー・クッキーの制限が広がったとき、顧客に広告を届ける新たな窓口として期待されているのが、多くのIDや購買データを持つECだ。アサヒ飲料はアマゾンとの広告連携を強化し、新トレンド「ソバーキュリアス(あえてお酒を飲まない)」を生み出すといった施策に取り組む。

アマゾンの広告では華やかなイメージを前面に打ち出した
アマゾンの広告では華やかなイメージを前面に打ち出した

 アサヒ飲料は2021年6月、ECサイトのアマゾンで炭酸飲料「ウィルキンソン」の特設広告ページを開設した。カラフルな写真を並べ、おうち時間で楽しめるノンアルコールカクテルを訴求する。ECの広告は従来、その場で購入してもらうことを目的とする場合が多かった。アサヒ飲料は「ウィルキンソン」のブランディング広告と位置づけ、ブランドの認知度向上などにつなげる。

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 存在感を強めるECには数多くの買い物客が訪れる。それだけに、駅前や繁華街といったリアルの街頭広告と同じように、ECの広告価値も高まっている。

 「ソバーキュリアスとは、あえてお酒を飲まないという新しいスタイル」。ウィルキンソンの特設広告には、こんな説明文が添えられている。「仕事終わりにゆったり」「運動で汗をかいた後に」……。日常のシーンごとにウィルキンソンを使ったレシピを提案。商品そのものよりも、華やかな写真でウィルキンソンを飲むことの楽しさなどをアピールしている。

ウィルキンソンを使ったオレンジティーソーダ。日常のシーンごとにウィルキンソンを使ったレシピを提案している
ウィルキンソンを使ったオレンジティーソーダ。日常のシーンごとにウィルキンソンを使ったレシピを提案している

 アサヒ飲料マーケティング本部広域流通部の鈴木学ECグループリーダーは「お酒を飲まない若い世代にウィルキンソンを認知してもらいたい」と語る。コロナ禍で家飲みが定着するなか、炭酸飲料はウイスキーなどの割り材として需要が高まっている。21年1~5月のウィルキンソンの販売数量は前年同期比8%増えた。さらに売り上げを伸ばすため、お酒を飲まない人の顧客層を拡大するのが特設広告の狙いだという。

購買履歴で潜在顧客を狙う

 仕組みはこうだ。アマゾンの閲覧履歴や購買履歴から潜在的な顧客を抽出し、アマゾンのサイト内に特設した広告を配信する。例えば「アマゾンで飲料を買ったことがあるが、炭酸水は買ったことがない人」などいくつもの条件に分け、炭酸水に関心がありそうな層を特定している。サード・パーティー・クッキーに頼らず、アマゾンが持つファースト・パーティー・データの分析によって、より炭酸飲料に関心のある層に向けた効率的なブランディングが期待できる。

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